2024.02.10
水系塗料(水性塗料)はVOC排出量が少ない塗料!使用の注意点も確認
こんにちは、岡畑興産の森本です。
塗料は、大きく分けて水系塗料(水性塗料)と溶剤塗料(油性塗料)の2つです。
溶剤塗料は耐久性能に優れており、艶を維持しやすく、汚れもつきにくいという点に加え、塗料が密着しやすく一定の時間で乾燥するといった作業効率の良さにも優れています。
一方、水系塗料というと、雨や雪など水分に弱いようなイメージを持たれる方も多いのですが、近年では研究が進み、溶剤塗料に負けない耐久性の高い製品が開発されています。
また、現在VOC(揮発性有機化合物)の排出量が少なくて済むことでも注目されています。
今回は、この水系塗料について詳しくお話しさせていただきますので、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
塗料は水系塗料(水性塗料)と溶剤塗料(油性塗料)の2つ!その特徴は?
塗料には、水系塗料(水性塗料)と溶剤塗料(油性塗料)の2つがあるとお伝えしましたが、水系塗料は水で希釈する塗料、溶剤塗料は溶剤で薄める塗料です。
VOC(揮発性有機化合物)について詳しく説明する前に、それぞれの特徴からご紹介しましょう。
水系塗料(水性塗料)の特徴
水系塗料は溶剤塗料のようにシンナーが含まれていませんので、臭いが少なく、人体への影響も軽減されています。
主成分が「水」なので引火の心配が少なく、基本的には非危険物扱いとなり保管も容易です。
排出されるVOCを大幅に削減できる特徴もあり、体や環境に有害なものが含まれていないため、自宅の外壁塗装工事に使用しても問題なく扱えます。
一方で、デメリットは水性であることが要因で、施工時における降雨や結露に弱い特徴があります。
施工時には養生をするなど、雨に濡れない対策が必要です。
また、施工対象物に油分が付着している際は除去が必要であることや、温度が低い環境では乾きにくくなることもあるため注意が必要です。
溶剤塗料(油性塗料)の特徴
溶剤塗料は溶剤で薄めるため、溶剤が含まれています。
メリットとしては、耐久性・耐候性にも優れていること、仕上がりもきれいなこと、サビ対策に有効であること、揮発性が高いこと、密着性が高いことなどが挙げられます。
強い塗膜で密着性が高いので剥がれにくく、よく触れる場所に使っても長持ちしやすいです。
デメリットには、溶剤(シンナー)を使用しているので臭いがきつい、引火性が高いため保管に注意が必要、値段が高いなどがあります。
推奨される水系塗料(水性塗料)はなぜVOC排出量が少ない?
VOCは揮発性の化学物質のため、シックハウス症候群や大気汚染の原因の一つになっており、近年世界中で削減を求められています。
Volatile Organic Compoundsの略称で、塗料以外には、接着剤などにも使用されています。
VOCは常温では不安定になりやすいので、密封していないと気体状態で空気中に漂う性質があり、刺激臭が有ることも特徴です。
実は、全VOC排出量のうち約39%が塗料由来とされており、先ほどご紹介した溶剤塗料(油性塗料)にもVOCが含まれています。
そのため、最近ではVOCの含有量が少ない水系塗料(水性塗料)が推奨されています。
水系塗料のVOC含有量
VOC含有量は溶剤系は30%~60%以下ですが、水系塗料は水で希釈されているため含有量は7%以下です。
水系塗料のようにVOCが30%未満の塗料は「低VOC塗料」とされており、「VOC削減型塗料」とも呼ばれています。
水系塗料はVOCが大変低く、環境や人に優しいということがわかりますね。
水系塗料(水性塗料)でVOC削減対策を!その効果は?
現在、水系塗料の市場規模は、2020年の779億米ドルからCAGR3.5%で成長し、2026年には1,177億米ドルに達すると予測されています。
この背景にあるのが、「VOC規制」です。
社会の取り組みとしては、2004年に改正大気汚染防止法により一部規制が行われており、事業者による自主的な取り組みと法規制を合わせて、VOCの排出や飛散を抑制しています。
揮発性有機化合物排出者が排出基準を守らない場合は、都道府県知事等からVOCの処理の方法の改善等や使用の一時停止を命じられます。
VOCを削減できれば、大気汚染を防止できるほか、廃溶剤の発生量が減少して廃棄物処理費を削減できたり、作業場に漏れるVOC が少なくなって労働環境が改善することにもつながります。
消費者も低VOC製品を選択することで、VOC削減対策に貢献できます。
そのため、できるだけ水系塗料を選ぶことも重要なのです。
今後もますます、この取り組みが広がることでしょう。
水系塗料(水性塗料)はVOC含有量が少ないおすすめの塗料!
ご説明したように、水系塗料と溶剤塗料にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
使用用途や使用環境に応じてうまく使い分ける必要がありますが、近年ではVOCへの関心が高まっています。
水系塗料を使うことで地球や社会の環境改善につながるため、水系塗料は今後ますます需要が高まる傾向にあるでしょう。
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