2023.09.08
CFRPとCFRTPを比較!それぞれの特徴や用途とは
こんにちは、岡畑興産の竹内です。
近年ますます市場を拡大しているCFRPおよびCFRTP。
強化繊維がカーボンファイバー(炭素繊維)という共通点はありますが、それぞれどう違うのか、どう使われているのか気になりますよね。
今回は、CFRPおよびCFRTPについて、特徴や用途を詳しくお話ししていきます。
CFRPとCFRTPを比較!特徴や種類の違いは?
まず名前の違いから説明すると、CFRPは「Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維強化プラスチック)」で、 CFRTPは「Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)」です。
どちらもカーボンファイバー(炭素繊維)を入れて強化されたプラスチックですが、母材となるプラスチックが「熱硬化性プラスチック」であるものをCFRP、「可塑性プラスチック」であるものをCFRTPと呼びます。
熱硬化性プラスチックのCFRPは熱を加えると架橋反応により硬化し、冷やしても元の形状には戻りません。
一方、可塑性プラスチックのCFRTPは、熱を加えると柔らかくなりますが、冷やすと元に戻る性質です。
また、母材に使用する熱硬化性プラスチック・熱可塑性プラスチックには種類があり、種類ごとにも特徴が変わります。
主な母材となるプラスチック
CFRPのプラスチック(熱硬化性プラスチック)
- エポキシ
- ポリエステル
- フェノール
- ポリイミド
CFRTPのプラスチック(熱可塑性プラスチック)
- ポリアミド(PA:ナイロン)
- ポリプロピレン(PP)
- ポリフェニレンサルフィド(PPS)
- ポリカーボネート(PC)
- 熱可塑性ポリウレタン(TPU)
- ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
- ポリエーテルケトンケトン(PEKK)
エンプラとも呼ばれるプラスチックについては、詳しく書いたブログがあるので、チェックしてみてくださいね!
また、熱可塑性プラスチックの種類にあるTPUとPEEK・PEKKについては、下記のブログでもご紹介しています。
PEKKやPEEKとは?その特徴や用途、違いを詳しく解説します!
ナイロンの射出成形をスムーズに行う方法を書いたブログも面白いので、ぜひみてくださいね!
CFRPとCFRTPそれぞれの用途もチェック!
CFRPは熱硬化性樹脂ですが、カーボンファイバ-が含浸しやすい特徴があり、軽量、高強度材料であることを活かした用途が多いです。
そのため、ゴルフクラブのシャフト、テニスラケット、釣り竿などスポーツ用途から、自動車部品、航空宇宙の分野へと用途を拡大していきました。
一方CFRTPは熱可塑性樹脂を用いるので、複雑な形に成形できること、リサイクルできること、短時間で成形できることが特徴で、スポーツ分野ではサッカースパイク、自動車分野でもより複雑なパーツへの応用、楽器やドローンなどに用いられています。
ただし、熱可塑性樹脂は、カーボンファイバ-の含浸が難しいという課題もあります。
CFRTPを用いることが多いサッカースパイクについては、以下のブログでもご紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね!
サッカー選手の最新のスパイク事情は?人気のスパイクの特徴も紹介!
CFRPとCFRTPを比較して上手く活用を
近年注目を集めているCFRPおよびCFRTP。
CFRPは熱を加えると架橋反応により硬化する熱硬化性プラスチックを母材に、CFRTPは熱を加えると柔らかくなる可塑性プラスチックを母材にしているという、違いがあります。
CFRPおよびCFRTPには、軽量化、高強度、高剛性、金属代替、リサイクル可能というメリットがあります。
このような課題を抱えていれば、CFRP・CFRTPの材料で解決できるかもしれません。
プラスチックの特徴やコストに合わせたCFRP・CFRTPをご検討ください!
岡畑興産では、CFRP・CFRTPの母材となるプラスチックや添加剤を多数扱っております。
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