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岡畑興産ブログ

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2022.09.05

アラミド繊維とは?その特徴や用途について詳しく解説!

皆さま、こんにちは。「岡畑興産」の山田です。

 

現在、世界には多種多様な化学繊維があり、あらゆる分野・場面で活躍しています。

我々が普段着ている服も化学繊維の集合体と言っても過言ではありません。

 

今回はその数多ある化学繊維の中から高機能化学繊維の一つである「アラミド繊維」について、詳しい特徴や用途をお伝えいたします!

 

 

アラミド繊維とは?その特徴や使用のメリットを解説

ポリエステル・ナイロンなどの化学繊維はほとんどの方が聞いたことがあると思いますが、「アラミド繊維」という名前はなかなか聞き覚えのない名前だと思います。

 

まず「アラミド」ですが、化学構造的にはナイロンとよく似ています。

 

その違いは骨格構造にあります。

ナイロンは「脂肪族骨格」を含んだアミド結合によって構成されているポリマー(ポリアミド)であり、アラミドは「芳香族骨格」を含んだアミド結合によってできたポリマーです。

 

そのアラミドでできているのがアラミド繊維であり、化学構造は芳香族ポリアミドといいます。

 

アラミド繊維の特徴や使用のメリットとは

アラミド繊維は主に、フェニレンジアミンの異性体と酸クロライドとの組み合わせで製造します。

主な原料はパラフェニレンジアミン(p-phenylenediamine, CAS No:106-50-3)、テレフタロイルジクロライド(Terephthaloyl Dichloride, CAS No:100-20-9)、メタフェニレンジアミン(m-phenylenediamine, CAS No:108-45-2)、イソフタロイルクロライド(Isophthaloyl Dichloride, CAS No:99-63-8)です。

 

ちなみに主要原料の一つの酸クロライドは、実は我々がPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)の代替として展開を図っている、スーパーエンプラのPEKK(ポリエーテルケトンケトン)の主要原料でもあります。

 

PEKKについては、「どこ展」やコラム「PEKKやPEEKとは?その特徴や用途、違いを詳しく解説します!」も、ぜひご参照ください。

 

アラミド繊維は、普段の衣料品に使用されている化学繊維に比べ、耐熱性・強度・難燃性・耐薬品性に優れている点がメリットです。

軽さにおいても優秀で、素材の加工の際に重機が不要です。

 

また、衝撃吸収性にも優れているため、大きな衝撃力を受ける構造物の補強においても重宝されています。

 

アラミド繊維はメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維という2種に分かれており、それぞれの特徴も異なります。

  • メタ系:耐熱性が非常に高く(400℃でも分解しない)、難燃性が極めて高い
  • パラ系:軽量かつ高強度(鋼材の1/5の重さながら引張強度は約7倍)で防弾・防刃性が高く、耐薬品性・耐摩耗性も高い

 

 

アラミド繊維の用途をチェック!

アラミド繊維は耐熱性・強度・難燃性・耐薬品性を生かした用途で使われることが多いです。

 

ゴム・プラスチック・セメントなどの補強材料や、織物・不織布などの被服、ロープなどに用いられます。

 

例えば軽さと強度という強みからスマートフォンの本体ケースに使用されたり、変形させやすく頑丈という点から自転車のタイヤに使用されたり、難燃性・耐熱性の高さから消防服や防火服に使われることも多いです。

 

そして、なんと2020年7月に打ち上げられたNASAの無人火星探査機「パーセヴェランス」のサスペンション・コードにも使用されています!

警察や自衛隊など過酷な環境での使用が想定される職業でも、その強度を見込んで防刃手袋や防弾チョッキに活用されており、まさに「スーパー化学繊維」といえるでしょう。

 

このほか、スマホ・テレビ・パソコンなどの液晶ディスプレイをきれいにする液晶(OA)クリーナー、焼却炉のばい煙除去をするバグフィルター、コンクリート補強で使うシートなどの用途でも使われています。

 

また、アラミド繊維はメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維の2種類がありますが、種類ごとにも用途が少し異なります。

  • メタ系アラミド繊維:消防服、電気配線の絶縁材、バグフィルター、液晶クリーナー 等
  • パラ系アラミド繊維:防弾ジョッキ、ブレーキパッドの摩耗材、タイヤの補強材、光ファイバーケーブル 等

 

 

アラミド繊維の特徴や用途を知ってさまざまな活用を

化学繊維は身近なものですが、いろいろな化学繊維が、様々な分野で活躍しています。

 

アラミド繊維は「芳香族骨格」を含んだアミド結合によってできたポリマー(ポリアミド)の素材です。

フェニレンジアミンの異性体と酸クロライドとの組み合わせで製造されています。

 

用途としては、ゴム・プラスチック・セメントなどの補強材料や、織物・不織布などの被服、ロープなどに使用されることが多いです。

 

さらに高い耐熱性を生かした消防服への活用、高い耐久性を生かした防弾服への活用のみならず、NASAの無人火星探査機「パーセヴェランス」のサスペンション・コードにも使用されるなど、まさにスーパー化学繊維といえます。

 

今後も、高耐久・高耐熱以外にも高機能を求められる分野で、活躍すること間違いなしでしょう!

岡畑興産が運営している常設オンライン展示会「どこ展-どこでも、ひとり展示会」や「岡畑興産ブログ」でも、様々な機能性原料・化粧品原料を詳しく展示していますので、ぜひお越しください。

岡畑興産 山田 オカハタコウサン ヤマダ

岡畑興産株式会社
機能化学品事業部

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