2022.11.18
カリウムの主な生産国は?年ごとの推移や近年の動向もチェック
こんにちは、岡畑興産の竹内です。
皆さん、「カリウム」と聞いて何を想像しますか?
肥料でしょうか?それともミネラル分としてのカリウムでしょうか?
カリウムはどこで生産されているのか、どのように扱われているのか、気になる方もいらっしゃいますよね。
今回はそんな「カリウム」について、生産国、用途、近年の動向について、詳しくお伝えいたします。
カリウムの特徴や主な用途から確認!
カリウムは、アルカリ金属元素の一種であり、原子番号19番の金属です。
英語ではポタシウム(potassium)といいます。
カリウムは植物に多く含まれており、様々な化合物として地殻に存在しています。
植物の細胞内液にイオンとして存在し、グリコーゲンとよばれる多糖類やタンパク質の合成にも関係する物質です。
そのため、野菜や果物、海藻、コーヒーなどにも多く含まれています。
代表的な用途についても、ご紹介しましょう。
①肥料
肥料の三要素(窒素、リン酸、カリウム)のひとつとして重要な役割を果たしております。
カリウム塩として、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウムの形で利用されています。
②工業用
塩化カリウム・水酸化カリウム(苛性カリ)として、ガラス原料、酸化剤、重合開始剤、殺菌剤、染料、試薬など、工業用に幅広い分野で使用されています。
③化粧品
化粧品用途でも多くのカリウムが使用されています。
岡畑興産ではその中で、肌荒れ防止効果があり、スキンケア商品の添加剤としてよく使用されるグリチルリチン酸ジカリウムを取り扱っております。
カリウムの主な生産国は?日本の輸入目的、近年の動向も
カリウムの生産量は約3500万トン。
主な生産国はカナダ(約30%)、ロシア(約20%)、ベラルーシ(約15%)、中国(約15%)となり、この4国で約80%が生産されています。
その他の生産国は、ドイツ、イスラエルなどです。
世界のカリウム消費量の約90%以上が肥料用への需要とされています。
日本では、カリウムを塩化カリウムとして、主に肥料用、工業用、食品用に使うことが多く、カナダから約60%、ロシアから約10%を輸入しています。
近年は、カリウム硝酸塩を保存食の添加剤 や防腐剤、歯磨剤、太陽熱発電の蓄熱媒体などに利用しているため、生産の需要は拡大しつつあるようです。
カリウム生産の近年の動向は?
世界の生産の約2割を占めるロシアが、ロシア・ウクライナ問題で混乱。
カナダでも一部鉱山の閉山とカリウムを取り巻く環境は、難しい状況にあり、塩化カリウムの日本の輸入通関価格は、2021年初と比べ約3倍となっております。
多くが肥料用に使われているカリウムですので、私達の身近なところでは野菜の価格に影響があると考えます。
カリウムの主な生産国・動向を知って世界の需要を理解しよう
カリウムは、様々な化合物として地殻に存在しておりますが、混乱下にあるロシアやベラルーシで生産量の1/3を占めております。
混乱の長期化により、肥料をはじめ、多くの製品に影響がでております。
カリウムだけでなく、供給安定のためには、カントリーリスクを踏まえた複数購買化(BCP)がますます重要になっております。
岡畑興産では、ネットワークを生かし、原料、中間体等の複数購買化のお手伝いをいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。