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2024.04.02

離型剤とは?その種類や特徴をご紹介!使用用途も確認

こんにちは、岡畑興産の富阪です。

いつも弊社ブログをご覧頂きありがとうございます。

 

みなさん、「離型剤」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

物を成形する際に使用する重要なものなので、ぜひ知ってほしい物の一つです。

 

今回は成形の際に大切な要素となる、この「離型剤」について詳しくご紹介したいと思います。

パン

 

 

離型剤とは?その特徴や役割を知ろう

離型剤(りけいざい)とは、物の成形の際に型から素材をスムーズに取り出せるようにする薬剤や添加物の総称のことです。

 

成形は、型を使って素材の形を変えることを指しており、加工方法の一つ。

 

型を用いることで、同じ形の素材を素早く多く生産出来るため、製造業では非常に重要な方法であり、産業の分野では金属や樹脂を使った成形が主となります。

 

また、成形の方法は射出成形や押出加工など多種多様であり、型に細かな細工を施して素材に転写させるケースもあります。

 

このような成形で問題となるのは、素材と型の癒着です。

癒着が発生して型にくっついてしまうと、正しい成形物にならないことはもちろん、生産性も低下しますので、非常に大きな問題となります。

 

離型剤を使えば、素材と型が密着しすぎるのを防いだり、円滑に取り出せる役割があるので、成形品を傷つけません。

 

ただし、離型剤の多くは有機化合物であり、300℃以上では分解してしまうことが多いためです。

 

素材が金属であれば300℃以上の加工温度になりますので、離型剤を使うこと自体が難しくなります。

 

一方、素材が樹脂であれば、オイルやワックス系を始め、シリコーン系やフッ素系の離型剤があり、成形条件に合わせて使い分けられます。

 

この種類については、次でご説明しましょう。

 

 

離型剤の種類を種類別にご紹介!使用用途も確認

離型剤

離型剤にはどんな種類があるのか、また、どんな用途に使われることが多いかも、お伝えしていきます。

 

離型剤の主な種類

参考に、種類ごとの特性をご紹介しましょう。

ちなみに工業用途ではフッ素系・シリコーン系が主流です。

 

フッ素系離型剤

フッ素の非粘着性をベースにした離型剤。
薄く塗るだけで良いタイプなので、使用量が少なくて済みます。

また、型汚れが少ないため連続成形が可能で、型の洗浄回数も低減できます。

一方で他の離型剤より潤滑性が少ない点がデメリットです。

 

オイル・ワックス系離型剤

塗りやすく安価な離型剤です。
オイル状またはワックス状なので広範囲に簡単に塗布できます。

ただし、厚く塗布する必要があるので使用量が多くなるのと、金型汚れがある点がデメリットです。

 

シリコーン系離型剤

シリコーンオイルの優れた潤滑性をベースとした離型剤。

撥水性や離型性、作業性に優れています。

ただし成形物への転写が多い傾向にあり、塗装や接着不良が起こる可能性がある点、洗浄に手間がかかる点には注意が必要です。

 

界面活性剤系離型剤

主にシリコーンゴムやタイヤの内側に使われる離型剤。

安価なのがメリットですが、離型性は良くないため、簡単に外しやすい用途の場合に使用されています。

 

また、離型剤の組成だけでなく、使いやすさを考えてスプレータイプや焼付型タイプなど使用方法の種類があり、形態の種類には水型、溶剤型、オイル型、ペースト型、水希釈(エマルジョン)型などがあります。

 

なお、余談ではありますが、樹脂の場合は「滑剤」を使用し、樹脂の流動性を上げることで、離型性を向上させる方法もあります。

 

離型剤は型に使用しますが、滑剤は樹脂に使用するので樹脂の性能に影響を与える場合があります。この点は注意が必要となります。

 

離型剤の主な用途

離型剤は、 一般的にはゴム工業、樹脂工業、繊維製造・加工、金属加工など幅広い産業分野で使用されています。

 

そのほか、実は身近なところで食品にも使用されています。

 

例えば、パン、おにぎり、回転寿司、各種お菓子類など。

食品が機械や焼き型に付着するのを防ぎ、型からきれいに外せるようにします。

 

あらゆる素材がきれいな形を保てるのは、離型剤のおかげなんですね。

 

グラブ浚渫(しゅんせつ)とは?」より引用
 
最近では、グラブ浚渫においても環境汚染を低減するためのさまざまな工夫が施されています。

 

たとえば、グラブの密閉性を上げるなどグラブの形状を工夫したり、汚濁防止膜やバケットに土砂が付きにくくする離型剤も使われ始めています。

 

弊社取引先の花王さんが開発し、岡畑興産も販売する、長期耐久性がある水系離型剤「ルナフローRA」も、グラブ浚渫工事で間もなくトライアル予定です。

 

土砂の付着を抑えることで工事の効率向上にもつながり、土砂がグラブから剥がれやすくなることで、河川や海の汚濁防止になることが期待されています。

 

離型剤の特徴や種類を知って、上手く活用を

離型剤についてその種類や特徴を説明してきましたが、「良い製品を作るためには、どのような素材を用いるか?」「どこまで型に精度を求めるか?」「素材に合った加工条件(成型方法や加工温度)は何か?」を考える必要があります。

 

そして、皆様の製品作りの最後の一助となるのが離型剤です。

 

ぜひ、離型剤をうまく活用し、素敵な製品を作り上げてください!

 

また、岡畑興産が運営している常設オンライン展示会「どこ展 2.0」や「岡畑興産ブログ」では、さまざまな機能性原料を詳しく展示していますので、そちらもチェックしてみてくださいね。

 

岡畑興産 富阪 オカハタコウサン トミサカ

岡畑興産株式会社
機能化学品事業部

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