2023.03.06
PTFEとは?特徴や用途を詳しくチェック
こんにちは、岡畑興産の森本です。
フッ素樹脂の中で最も多く使われているとされる「PTFE」。
どんな構造・特徴で、どんな用途で使われているのか、気になりますよね。
今回はそんなPTFEについて、詳しく説明いたします!
PTFEとは?特徴や分子構造からチェック
まずは基本情報からご紹介します。
- CAS番号:9002-84-0
PTFEとはポリテトラフルオロエチレン (polytetrafluoroethylene)の略称で、フッ素樹脂のことです。
1938年に某有名メーカーが発見し、その後、1945年にPTFEをTeflon (テフロン)という商標で登録しています。
一般的にテフロンという名前で親しまれていますが、某有名メーカー以外にもPTFEメーカーはあります。
そのため、他社製のPTFEはテフロンという呼び名ではなく、ほかの製品名で呼ばれています。
PTFEはフッ素原子と炭素原子で構成されているフッ素樹脂です。
炭素原子とフッ素原子の結合力は有機結合の中で最も強いため、分子表面の凹凸が少なく、全体的に滑らかな表面をしているため、低摩擦性に優れると考えられています。
また、炭素の周囲をフッ素原子が隙間なく取り囲んでいるため、C-F結合がC-C結合を覆っています。
そのため、薬品や溶剤に触れてもC-Fがバリアとなり、溶解を防ぐことにより、耐薬品性に優れることが考えられます。
別の言い方をすると表面張力が低いとも言え、非粘着性があるとされています。
PTFEの用途にはどんなものがある?
低摩擦性・耐薬品性・非粘着性に優れたPTFEは、私たちの身近にあるさまざま商品に使用されています。
一番有名なところでは、フライパンのコーティング。
炒めものをした場合、PTFEは低摩耗性があるため、フライパンの上を滑らかにスライドします。
また、耐薬品性があるため、油をたくさん入れても油をはじくため、長くフライパンを使用することが可能です。
非粘着性があるため、炒めものがフライパンにくっつかず、簡単にひっくり返すことができます。
PTFEは非常に万能な樹脂であるため、医療関係や車のエンジン回りに使用されることも多いです。
そのほかには理化学器具、バルブ、ベアリング、ガスケット、ワッシャー、ダイヤフラム、軸受け、精密電子機器部品、実験用容器など、半導体や電子機械・化学に関する備品、医療に関する備品にも使われています。
PTFEはたくさんの良い特徴がありますが、欠点としてよくあげられるのが、“柔らかすぎる” と “密着力が弱い”の2点です。
これを改善するためにはPAIやPESのような密着性と高い硬度をもつ樹脂をPTFEと分散させることによりPTFEの欠点を補う必要があります。
そうすることで、摺動性に優れ、より密着力のあるフッ素樹脂コーティングとなるのです。
PTFEとはフッ素樹脂のこと!特徴や用途を知ってぜひ活用を
ポリテトラフルオロエチレンの略称である「PTFE」は、フッ素原子と炭素原子で構成されているフッ素樹脂です。
低摩擦性や耐薬品性に優れており、表面張力が低く、非粘着性があるとされています。
そのため、用途としてはフライパンのコーティングや、医療関係や車のエンジン回り、さらには半導体・電子機械・化学に関する備品・医療に関する備品など、幅広い用途で使われています。
PTFEを含むフッ素樹脂は、ハイテク産業への需要が加速していること、新型コロナウイルスの影響で輸入が困難な状況に陥ったことから、現在も大変需要が高いです。
弊社、岡畑興産ではフッ素樹脂コーティングのメーカーであるWhitford社の代理店をしております。
Whitford社の製品にご興味のある方は、是非ゴム用フッ素コーティング剤やXylanの記事もチェックください。