ゼオライトとは？その特徴や用途について詳しく解説！

こんにちは。岡畑興産の吉江です。

 

「ゼオライト」というものを皆さんご存じでしょうか。

 

ほとんどの方が初めて聞く言葉だと思いますが、実は私たちの身近な製品に使われている「ゼオライト」。

身近なところでは粉末洗剤にも使われていて、それ以外にも農業や土木にも使われています。

 

今回はそんな「ゼオライト」について、特徴や用途を詳しく解説させていただきます。

 

 

ゼオライトとは？どのような働きがある？

ゼオライトは沸石とも呼ばれ、粘土鉱物の一種として1756年に発見されたミクロ多孔性の結晶性アルミノケイ酸です。

 

世界各地で天然のゼオライトが産出されていますが、数多くのゼオライト及びその類似物質が人工的に合成されており、こうした合成ゼオライトの一部は工業的にも広く用いられています。

基本的な組成は以下の通りです。

構成するイオンが異なることで、様々な構造や物性を持つゼオライトがあります。

ゼオライトの結晶は多孔質で、細孔の直径が通常0.2～1.0 nm程度であるため、その細孔径よりも大きな分子は進入することはできないという、分子ふるい作用を有しています。

 

ゼオライトはその骨格構造に由来する細孔による分子ふるい効果に加え、イオン交換能や触媒能、吸着能などの特性を持っていることが特徴です。

そのため、脱臭、水質の改善、土壌の改質、家畜の整腸作用など、様々な効果が期待できます。

 

次で、この働きを生かした詳しい用途について、ご紹介していきましょう。

 

 

ゼオライトの用途をチェック！

ゼオライトには、以下のような用途があります。

• 粉末洗剤
• 排水処理・水質浄化
• 土壌改質
• 畜産での畜産用添加剤・脱臭
• 工場での廃油処理・悪臭除去

 

このほか、ビルダー（洗剤助剤）、乾燥剤、工業触媒、吸着剤、イオン交換剤、床下調湿材、塗り壁材など活用の幅は多岐にわたります。

今回は、先にご紹介した代表的な5つを解説していきましょう。

 

粉末洗剤

ゼオライトはイオン交換能をもつため水質改良剤として用いられます。

 

水道水のカルシウムイオン (Ca2+) やマグネシウムイオン (Mg2+) は洗剤に含まれる界面活性剤の働きを低下させますが、ゼオライト中のナトリウムイオン (Na+) と置きかわることで水の硬度を下げ、洗剤がよく働くようにしてくれます。

 

特に水に溶けにくい汚れに対しての効果が高く、頑固な汚れにおすすめの成分です。

 

排水処理・水質浄化

ゼオライトの吸着性により、水中の重金属、水や土の中にある臭い成分などを取り除き、水質の改善をすることができます。

 

さらに、アンモニウムイオンや金属イオンを、表面のイオン交換能によって除去する性能も。

そのため、有害物質や放射性セシウムの吸着など、汚染された海や川の改善、工場の排水処理で活躍しています。

 

アンモニアや亜硝酸を吸着することにより、鑑賞魚飼育のろ過材としても使われます。

 

土壌改質

作物の生育に欠かせない肥料分を吸着、保持する機能を有し、土壌の保肥力向上にも貢献しています。

保肥力が高いと、使用する肥料の量を抑えられるというメリットがあります。

さらに、ゼオライトの細かい穴により土壌の通気性も保ち、塩基置換作用で有害なガスや水分を吸収して根腐れを防止する効果も。

 

放射能物質も吸着することから、福島県の原子力発電所から出る土壌の改質にも使われています。

 

畜産での畜産用添加剤・脱臭

家畜の飼料にゼオライトを添加して与えることで、腸内に発生した発酵ガス・有害物質の吸着排出をしたり、腸内の酸度を調整するなど消化機能を向上させます。

 

また、体内菌のバランスを整えたり、食欲を増進させたりする効果もあるため、発育の促進にも期待できます。

 

さらにゼオライトは陽イオン交換能力に優れているため、アンモニアなどの悪臭を脱臭する効果も。

畜舎の床へ撒くと臭いを軽減できます。

 

工場での廃油処理・悪臭除去

高い吸着力により工場内の油こぼれ処理にも使われます。

 

原油やバイオディーゼルの精製過程における不純物除去にも効果があり、廃油吸着分離剤としても活躍しています。

 

また、ゼオライトはアンモニア、トリメチルアミンなどの臭いのもとを吸着する効果も。

そのため、工場などで水や生ごみなどの悪臭を除去する用途としても使われることが多いです。

 

 

ゼオライトの特徴や用途を知って様々な活用を！

私たちの周りにある様々な製品で使われているゼオライト。

ゼオライトは粘土鉱物の一種として1756年に発見された、ミクロ多孔性の結晶性アルミノケイ酸です。

 

細孔による分子ふるい効果、イオン交換能や触媒能、吸着能などの特性を持ち、脱臭、水質の改善、土壌の改質、家畜の整腸作用など、活躍の場は豊富です。

その特徴的な構造から洗剤をはじめ、土壌改質や水質改質など用途は多岐にわたります。

 

岡畑興産が運営している常設オンライン展示会「どこ展-どこでも、ひとり展示会」でも、化粧品原料や機能性原料について詳しく説明していますので、ぜひお越しくださいね。