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2026.04.08

トンネルの漏水対策ガイド|原因別の工法選定と維持管理のポイント

トンネルの漏水対策ガイド

こんにちは、岡畑興産の高倉です。

トンネルの漏水は、路面凍結やコンクリート剥落、排水溝の閉塞など、利用者の安全や構造物の耐久性に関わる深刻な問題です。

日本には約15,000本ものトンネルがあり、その多くが高度経済成長期に建設されました。老朽化が進む中、現場の状況に合った漏水対策工法を選ぶことの重要性はますます高まっています。

本記事では、トンネル漏水の原因を整理した上で、止水・導水・排水ボーリングなど主要な対策工法の特徴と選び方を比較しながら解説します。さらに、施工後に見落とされがちな「鉄バクテリア汚泥」の問題と維持管理のポイントまで、実務に役立つ情報をまとめました。



トンネルで漏水が発生する原因とは

トンネルの漏水は、主に覆工コンクリートの劣化と地下水圧の影響によって発生します。ここでは、漏水が発生する代表的な原因を確認していきましょう。

覆工コンクリートのひび割れ・打継目地・コールドジョイント

トンネルの覆工コンクリートは、施工時の打設ロット間で「打継目地」と呼ばれる接合面が生じます。この打継目地は構造的な弱点となりやすく、時間の経過とともに地下水の浸入経路になることが少なくありません。

また、コンクリートの打設時に先に打設した部分が固まり始めてから次の打設を行うと、一体化が不十分な「コールドジョイント」が形成されます。

さらに、コンクリート内部の乾燥収縮や温度変化、地山の変形による応力で「ひび割れ(クラック)」が発生し、これも漏水の原因となります。

💡 ジャンカにも注意

施工不良によりコンクリート内部に生じた空洞・粗骨材の露出部分を「ジャンカ」と呼びます。ジャンカ部分はコンクリートの密実度が低く、水みちを形成して漏水を引き起こす要因のひとつです。

地下水圧と経年劣化の関係

トンネルは地中に構築される構造物であるため、常に周囲の地下水圧を受けています。特に地下水位が高い地域や、山岳部で湧水量が多い環境では、覆工コンクリートに作用する水圧が大きく、漏水が発生しやすくなります。

新設時は防水シートや止水板で対策が施されますが、経年劣化によってこれらの防水層が損傷すると、コンクリートの微細なひび割れや目地から地下水が浸入してくるのです。

また、覆工コンクリート自体も長期間にわたる水分の浸透や凍結融解の繰り返しによって徐々に劣化が進行し、漏水量が増加していく傾向があります。

老朽化トンネルの増加と社会課題

日本のトンネルの多くは、高度経済成長期(1960年代〜1970年代)に建設されました。

📊 老朽化トンネルの増加

建設から50年以上が経過したトンネルの割合は、2022年時点で約34%2032年には約59%まで急増すると予測されています。一方で、補修が必要と判断されたにもかかわらず5年以上放置されているトンネルが全国に多数存在し、効率的で持続可能な漏水対策の需要は今後さらに高まることが見込まれます。



トンネル漏水が引き起こす問題・被害

トンネルの漏水を放置すると、安全面・構造面の両方で深刻な被害につながります。具体的にどのような問題が発生するのかを見ていきましょう。

トンネル天井の漏水箇所から発生したつらら(氷柱)

路面凍結・つらら発生による安全リスク

寒冷地のトンネルでは、覆工面からの漏水が冬季に凍結し、路面の凍結やつらら(氷柱)の発生を引き起こします。つららが成長すると自重で落下し、通行する車両や歩行者に衝突する危険があります。

路面凍結もスリップ事故の原因となるため、管理者は冬季の夜間パトロールやつらら除去作業を行う必要があり、大きな維持管理負担となっています。

覆工コンクリートの剥落

漏水がコンクリート内部に浸透し続けると、内部の鉄筋が腐食して膨張し、かぶりコンクリートを押し出す「剥落」が発生します。コンクリート片が車両の上に落下すれば重大事故につながるため、剥落防止対策の前提として漏水を適切に処理しておくことが重要です。

排水溝の閉塞と設備劣化

トンネル内の排水溝に漏水が流入すると、水に含まれるカルシウム分が析出して「遊離石灰」として堆積したり、後述する鉄バクテリア汚泥が蓄積したりして、排水溝が閉塞することがあります。排水溝が詰まると漏水がトンネル内に溢れ出し、路面の冠水や周辺設備の故障・劣化を招きます。

鉄筋腐食・構造物の耐久性低下

漏水に含まれる塩化物イオンや二酸化炭素がコンクリートに浸透すると、鉄筋周囲の不動態被膜が破壊され、鉄筋の腐食が進行します。腐食した鉄筋は断面積が減少し、構造物全体の耐荷力が低下するため、トンネルの安全性と長寿命化の観点からも漏水対策は不可欠です。



トンネル漏水対策の基本分類:止水と導水

トンネルの漏水対策工法は、大きく「止水工法」と「導水工法」の2つに分類されます。それぞれのアプローチの違いを理解した上で、現場条件に合った工法を選定することが重要です。

止水工法と導水工法の比較
止水工法(水を止める) 導水工法(水を導いて排出する)
アプローチ コンクリートのひび割れや目地に止水材を注入・充填し、水みちを遮断して漏水を根本的に解消 導水樋等で水を適切な経路に導いて排水設備まで流し出す
メリット ・漏水箇所を根本的に処理できる
・構造物の美観を損なわない
・覆工に作用する水圧を逃がし、構造物への負担を軽減
・広範囲の漏水にも対応可能
注意点 ・止水箇所の周辺に水圧が分散し、新たな漏水が発生するリスク
・高水圧環境では適用が難しい場合も
・導水材の経年劣化や遊離石灰による閉塞
・定期的な維持管理が必要
適した場面 漏水量が少なく箇所が明確な場合 漏水量が多い場合・広範囲にわたる場合

止水と導水の使い分け判断基準

止水と導水のどちらを選択するかは、漏水量・範囲・地下水圧・施工環境を総合的に判断して決定します。漏水量が少なく箇所が明確な場合は止水工法が有効ですが、漏水量が多い場合や広範囲にわたる場合は、水圧の分散リスクを考慮して導水工法が選ばれることが一般的です。

実際の現場では、止水と導水を組み合わせた対策が取られるケースも多く、一方の工法だけに頼らない柔軟なアプローチが重要です。

漏水対策の検討から施工、維持管理までの基本的な流れは以下のとおりです。

漏水対策の検討フロー

  1. 漏水箇所の調査・診断 ── 漏水の位置・状態を現地で確認
  2. 漏水量・範囲の把握 ── 漏水が線状か面状か、量はどの程度か
  3. 止水 or 導水の判断 ── 漏水の特性・水圧・施工条件から基本方針を決定
  4. 工法の選定・施工 ── 線導水工、面導水工、止水注入工法、排水ボーリング等から最適な工法を選択
  5. 維持管理・点検 ── 定期的な点検と再補修、鉄バクテリア汚泥等の二次的課題への対応



主な漏水対策工法の種類と特徴

ここからは、トンネル漏水対策として用いられる代表的な工法を具体的にご紹介します。

トンネル内で導水樋の設置作業を行う作業員

線導水工(線導水樋工・埋込式導水工)

線導水工は、トンネルの打継目地やひび割れなど、局所的な漏水箇所に対して樋状の部材を設置し、漏水を排水設備に導く工法です。

線導水工には主に2つのタイプがあります。

1つ目は「線導水樋工」で、漏水箇所に沿ってプラスチック製や金属製の導水樋を覆工面に取り付け、水を集めて排水します。施工やメンテナンスが比較的容易で、部分的な補修も可能です。

2つ目は「埋込式導水工」で、覆工コンクリートに溝(Vカットやuカット)を掘り、その中に排水材(独立発泡ゴムなど)を埋め込む工法です。建築限界に余裕がないトンネルでも適用でき、外観にも影響を与えにくい特長があります。

面導水工(面導水樋工)

面導水工は、トンネル覆工の広範囲にわたる漏水に対して、面状に導水部材を設置して排水する工法です。

複数のひび割れやクラックから面的に染み出す漏水に対しては、線導水工では対応が困難な場合があります。こうしたケースで、覆工全体をカバーするように導水板を設置し、面全体の漏水を集めて排水するのが面導水工です。

面導水工では軽量で着脱が容易な導水板を使用するため、施工時間の短縮が可能です。また、寒冷地では断熱材を内蔵したタイプを使用することで、凍結防止効果も得られます。

⚠️ 面導水工の注意点

施工厚みが約4cmと厚くなるため、建築限界に余裕のあるトンネルに適用が限られます。また、面導水工で覆工面を覆うと、背面のコンクリートの劣化状況を目視確認できなくなるため、定期点検時の安全確認が課題となります。

止水注入工法(ウレタン系・アクリル系・セメント系)

止水注入工法は、コンクリートのひび割れ内部に注入材を圧入して水みちを遮断する工法です。導水工法のようにVカットやシーリングが不要で、注入孔も小さく目立たないため構造物の美観を損ないません。

注入材の種類によって特長が異なります。

注入材の種類 特長 適した場面
ウレタン系 コンクリート内部で発泡・固結し、短時間で漏水を押さえ込む 緊急性の高い現場、大量漏水の初期対応
アクリル系 硬化後も弾性を保持し、コンクリートの微小な動きに追従 長期的な止水性能が求められる場面
セメント系(無機系) 既存のコンクリートと同質で親和性が高く、超微粒子で微細な隙間に注入可能 コンクリートとの一体化を重視する場面

排水ボーリング工法

排水ボーリング工法は、覆工面から背面の地山に向かって横穴(ボーリング孔)を穿ち、覆工背面に滞留する地下水を排水する工法です。覆工コンクリートに作用する水圧を直接的に軽減できるため、水圧が高く漏水量が多い箇所で効果を発揮します。

ただし、ボーリング孔の維持管理(目詰まり対策)が必要であり、排水量のコントロールも課題となる場合があります。

工法比較表

各工法の特徴を以下の表にまとめます。現場の条件に応じて最適な工法を選定してください。

工法 対応する漏水タイプ 施工スペース 寒冷地対応 維持管理性
線導水工 局所的(線状) 小〜中 △ 凍結リスクあり ○ 部分補修可能
面導水工 広範囲(面状) 大(厚み約4cm) ○ 断熱材内蔵型あり △ 背面の目視不可
止水注入工法 局所的(ひび割れ) ○ 再注入可能
排水ボーリング 高水圧・大量漏水 △ 目詰まり管理要



漏水対策工法の選定ポイント

漏水対策は、トンネルごとに異なる条件を踏まえた上で最適な工法を選定する必要があります。ここでは、選定時に考慮すべき主なポイントをご紹介します。

漏水量と範囲による判断

まず確認すべきは、漏水の量と範囲です。漏水箇所が限定的で漏水量が少ない場合は、線導水工や止水注入工法で局所的に対応できます。

一方、覆工全体から面的に染み出すような漏水や、多数のひび割れから同時に漏水が発生している場合は、面導水工による広範囲の対策が合理的です。

漏水量が特に多く水圧が高い場合には、排水ボーリング工法を併用し、覆工背面の水圧を下げた上で導水工法を施すといった複合的な対策が有効です。

建築限界と施工スペースの制約

トンネルの建築限界(車両が安全に通行できる空間の最小限度)に余裕がない場合、覆工表面から突出する工法は車両との接触リスクがあるため採用できません。こうした場合は、覆工面に収まる埋込式導水工や、施工厚の薄い止水注入工法が選択されます。

寒冷地・凍結環境での注意点

凍結が発生するトンネルでは、漏水対策工法の選定を慎重に行う必要があります。線導水工を施工した場合、冬季に導水路内の水が凍結して閉塞し、接着面が剥離して再漏水することがあります。

面導水工では断熱材を使用して凍結を防ぐ対策が可能ですが、トンネルの坑口付近と中央部では凍結の発生状況が異なる場合もあるため、地点ごとの環境を注意深く観察することが重要です。

再補修を見据えた長期的視点

既設の補修部は、時間の経過とともに風化・劣化が進行し、再び漏水が発生するケースが多く見られます。実際に、漏水が激しい場所の多くが過去の補修箇所であるともいわれています。

そのため、漏水対策を計画する際は、初期の施工コストだけでなく、将来の再補修のしやすさや維持管理の手間も含めたライフサイクルコストの視点で工法を選定することが重要です。



見落とされがちな課題──漏水箇所に発生する「鉄バクテリア汚泥」

トンネルの漏水対策というと、ここまでご紹介してきた止水や導水といった「構造的な対策」がまず思い浮かびます。しかし、漏水が発生するトンネルでは、もうひとつ見落とされがちな課題があります。

それが、漏水箇所に発生する鉄バクテリア汚泥の問題です。

トンネル壁面の漏水箇所に付着した茶褐色の鉄バクテリア汚泥

鉄バクテリアとは?漏水と鉄分が引き起こす汚泥発生メカニズム

鉄バクテリアとは、水中に含まれる2価の鉄イオン(Fe2+)を酸化することでエネルギーを得ている細菌の総称です。土壌中に広く生息しており、自然環境中に存在する程度であれば人体に無害な微生物です。

トンネルの漏水箇所では、地下水に含まれる鉄分を栄養源として鉄バクテリアが活発に繁殖し、酸化鉄を多量に含んだ茶褐色の汚泥(鉄バクテリア汚泥)を生成します。この汚泥は粘土のような半固形状で、水をかけただけでは落とすことができない厄介な存在です。

▶ あわせて読みたい

鉄バクテリアとは?人体や環境への影響や見分け方もご紹介

鉄バクテリア汚泥が引き起こすトラブル

鉄バクテリア汚泥は、見た目が悪いだけでなく、以下のような実害を引き起こします。

⚠️ 鉄バクテリア汚泥の3つのリスク

❶ 排水溝の閉塞:導水工法で漏水を排水溝に導いていても、排水溝自体が鉄バクテリア汚泥で詰まってしまうことがあります。排水溝が閉塞すると漏水がトンネル内に溢れ出し、せっかくの漏水対策が機能しなくなります。

❷ レール・鉄筋の腐食につながるおそれ:鉄道トンネルでは、溢れ出した漏水が線路に到達しレールのサビや腐食を加速。鉄バクテリアが鉄製の配管やタンクなど鋼材設備の腐食にも関与すると考えられています。

❸ 産業廃棄物としての処理コスト:除去した鉄バクテリア汚泥は産業廃棄物として処理する必要があり、定期清掃のたびに多大なコストが発生します。

導水工法だけでは解決しない「二次的課題」

ここが重要なポイントです。止水工法や導水工法は、漏水そのものに対する「構造的な対策」としては有効ですが、漏水箇所に二次的に発生する鉄バクテリア汚泥の問題までは解決できません。

導水樋を設置して排水経路を確保しても、その排水経路上で鉄バクテリアが繁殖し汚泥が堆積すれば、導水路の閉塞につながります。

つまり、トンネルの漏水対策を長期的に機能させるためには、構造的な対策に加えて、鉄バクテリア汚泥の除去・予防という「維持管理の対策」も併せて行う必要があるのです。



鉄バクテリア汚泥を効率的に除去する方法

鉄バクテリア汚泥の定期的な除去は、トンネルの漏水対策を維持する上で欠かせない作業です。しかし、従来の除去方法には多くの課題がありました。ここでは、従来手法の課題と、それを解決する新しいアプローチをご紹介します。

従来の手作業除去の課題

鉄バクテリア汚泥は柔らかい粘土のような半固形状ですが、水をかけただけでは落とすことができません。そのため、従来は作業員がヘラやブラシを使って手作業で汚泥を削り取る方法が一般的でした。

しかし、トンネル内の汚泥は散発的に発生するため、広いトンネル内を移動しながら一箇所ずつ除去する必要があり、多大な時間と労力がかかります。また、鉄道トンネルでは運行時間外の限られた作業時間内で清掃を完了させなければならず、作業効率が大きな課題です。

作業員がハンディスプレーでトンネル壁面の鉄バクテリア汚泥に除去剤を吹き付けている様子

「分散+発泡」のダブル洗浄で吹き付けて流すだけの新アプローチ

こうした課題に対し、花王株式会社が開発したのが、鉄バクテリア汚泥除去剤「ルナクリア(LUNACLEAR)TB-100」です。

鉄バクテリア汚泥は、泥の粒子が集まって網目のようなネットワーク構造を形成しています。ルナクリアは、このネットワーク構造を断ち切る「分散」の作用と、軟らかくなった汚泥を浮き上がらせる「発泡」の作用を組み合わせたダブル洗浄処方により、汚泥の除去に効果を発揮します。

使い方は非常に簡単で、専用のハンディスプレーにルナクリアのパウチを装着し、汚泥に向かって吹き付けるだけ。しばらく時間を置くと汚泥が軟化して流れ落ちてくるので、水で流すだけで清掃が完了します。

💡 ルナクリアのダブル洗浄メカニズム

STEP 1「分散」── 洗浄成分が汚泥のネットワーク構造を断ち切り、低粘度化
STEP 2「発泡」── 発泡作用で軟らかくなった汚泥を浮き上がらせ、水で流すだけで除去

予防保全的メンテナンス──月1回の定期散布で汚泥蓄積を防止

ルナクリアのもうひとつの特長は、「予防保全」の観点でも活用できる点です。鉄バクテリア汚泥が大量に蓄積してから除去するのではなく、定期的にルナクリアを散布することで、汚泥の蓄積を抑えることが期待できます。

事後対応型の清掃から予防保全型のメンテナンスへ切り替えることで、清掃コストの削減と排水溝閉塞リスクの低減が期待できます。

天然由来原料で環境にも配慮

ルナクリアは天然由来の原料を使用しており、環境への負荷が少ない設計になっています。また、包装容器には花王の日用品でも使用されているフィルム容器(ボトルライクパウチ)を採用し、容器に必要なプラスチック使用量を大幅に削減しています。

環境配慮が求められるインフラメンテナンスの現場において、こうした設計思想は重要な選定ポイントとなるでしょう。

▶ 詳しくはこちら

鉄バクテリア汚泥の除去・清掃助剤 ルナクリア(LUNACLEAR)TB-100(花王様開発品)



トンネル漏水対策における今後の展望

最後に、トンネル漏水対策の今後の方向性について考えてみましょう。

インフラ長寿命化計画と維持管理の重要性

国土交通省が推進する「インフラ長寿命化基本計画」のもと、トンネルを含む道路・鉄道インフラの計画的な点検・補修・更新が求められています。漏水対策は構造物の長寿命化に直結する重要な維持管理項目であり、適切な時期に適切な工法で対策を講じることが、ライフサイクルコストの最適化につながります。

構造的対策と化学的対策の組み合わせ

本記事でご紹介したように、トンネルの漏水問題には「構造的な対策(止水・導水)」と「化学的な対策(鉄バクテリア汚泥の除去)」の両面からアプローチすることが効果的です。

導水樋で漏水を排水経路に導きながら、ルナクリアのような除去剤で排水経路上の汚泥蓄積を予防する──この2つの対策を組み合わせることで、漏水対策工法の長期的な機能維持が実現できます。

鉄道トンネル以外への展開可能性

鉄バクテリア汚泥は、地下水が流れるあらゆる場所で発生する可能性があります。鉄道トンネルだけでなく、山岳トンネル、地下商業施設、工場の地下ピット、さらには鉄製の配管やタンクといった鋼材設備においても、鉄バクテリアによる汚泥の蓄積や腐食が問題となり得ます。

今後は、こうした幅広いフィールドにおいて、構造的対策と化学的対策を組み合わせたトータルな漏水・汚泥対策が広がっていくことが期待されます。



まとめ

トンネルの漏水は、覆工コンクリートのひび割れや打継目地、地下水圧の影響などにより発生し、路面凍結やコンクリート剥落、排水溝閉塞などの深刻な被害を引き起こします。

対策工法には、漏水を止める「止水工法」と水を導いて排出する「導水工法」があり、漏水量・範囲・建築限界・寒冷地環境などの条件に応じて最適な工法を選定することが重要です。

さらに、漏水箇所に二次的に発生する「鉄バクテリア汚泥」は、排水溝の閉塞やレール腐食などを引き起こす見落とされがちな課題です。構造的な対策に加えて、鉄バクテリア汚泥の除去・予防という維持管理の視点を持つことが、トンネルの安全性と機能を長期的に維持するカギとなります。

鉄バクテリア汚泥の除去・メンテナンスのご相談

鉄バクテリア汚泥でお困りの方は、岡畑興産にお気軽にお問い合わせください。花王株式会社が開発した鉄バクテリア汚泥除去剤「ルナクリア(LUNACLEAR)TB-100」の詳細もご案内いたします。

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●参考

  1. 一般財団法人 国土技術研究センター「国土を知る / 意外と知らない日本の国土」
  2. NHK「老朽化する日本のインフラ 橋やトンネルの補修追いつかず」
  3. 国土交通省「インフラ長寿命化基本計画」
  4. 花王株式会社 ニュースリリース「地下トンネル内に発生する鉄バクテリア由来のサビ色汚泥を一掃」(2025年4月16日)
  5. 花王ケミカル「鉄バクテリア汚泥除去剤 ルナクリア」製品ページ
  6. 鉄道総合技術研究所「トンネル内鉄バクテリア汚泥の発生抑制法」鉄道総研報告 Vol.19 No.11(2005年11月)

岡畑興産 高倉 オカハタコウサン タカクラ

MBA取得。化学品専門商社・岡畑興産にて機能化学品の営業を牽引。
花王株式会社開発の鉄バクテリア汚泥除去剤「ルナクリア」や水系離型剤「ルナフロー」をはじめとするインフラ向け化学品商材の取り扱いを担当し、鉄道・道路トンネルの維持管理から工場設備メンテナンスまで、幅広い現場の課題解決に伴走しています。「はたらく化学品」を合言葉に、化学の力でインフラを守る提案型営業を日々実践中。

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