2024.01.19
プラスチックのにおい取りの方法は?原因についても確認
こんにちは、岡畑興産の山田です。
近代の生活に無くてはならないプラスチック。
さまざまな食品や商品のパッケージにも使われていますが、再利用をしたいけれど「においが取れない!」ということはありませんか?
洗っても取れない頑固なにおいでも、工夫をすれば消すことが可能です。
また、新品のプラスチック製品のプラスチック臭も取ることができます。
今回はプラスチックに付いたにおいが気になる方へ、においの原因と身近なものでにおいを消し去る対策についてご紹介します。
目次
プラスチックのにおいの原因から知ろう
プラスチックとは、化学用語では合成樹脂と呼ばれ、天然樹脂(有名どころは漆)とは異なり、人工的に合成した樹脂のことです。
プラスチックはなぜにおいが付きやすいのか、気になりますよね。
その原因は、油分や臭いを吸いやすい性質があることが一つです。
また、プラスチックの表面は実は平たく見えておりますが、細かい凹凸があり、この部分に油汚れや、臭い成分などの非常に細かい成分が入ってしまうことも原因です。
特にカレーなど香辛料・スパイスが入ったものや、キムチやにんにくなどのにおいが強めな食材は、凹凸ににおいが残りやすく、洗ってもなかなか消えません。
このほか、新品のプラスチック製品を購入したときに、独特のプラスチック臭がすることもありますよね。
この原因は、加工しやすくするため使用する可塑剤(かそざい)という物質や、保護剤、安定剤、塗料などです。
保護剤・安定剤・塗料については、最近の製品は洗浄がしっかり行われているため、原因になることは少ないですが、可塑剤はどうしても独特なにおいが残ってしまいます。
次でプラスチックに付いてしまったにおいと、元々のプラスチック臭を取るための方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
プラスチックのにおい取りの方法をご紹介
では、プラスチックに付いてしまったにおいを消す方法と、買ったばかりのプラスチック商品のにおいを取る方法を詳しくお伝えします。
プラスチック容器に付いたにおいを取る方法
効果的な方法を、5つご紹介します。
塩を使ったにおい取り
まず一番身近かつお手元にあるだろう素材としては「塩」があげられます。
直接「塩」をタッパーに2~3杯入れ、水を入れて2~3分シャカシャカ振ってください。
「塩」の持つ浸透圧作用が、プラスチック表面の細かい凹凸に入り込んで、においを取ってくれます。
お酢を使ったにおい取り
魚の生臭みなどアルカリ性のにおいには「お酢」も消臭効果が期待できます。
お酢は酢酸という物質が含まれており、酸性です。
そのため、主にアルカリ性の臭いを中和してくれます。
お酢は原液のまま使用すると特有の鼻を刺激するにおいが残りますので、2~3倍に水で薄めてシャカシャカ振ることを推奨いたします。
重曹を使ったにおい取り
アルカリ性と反対の酸性の臭いに対しては、最近お掃除特集などでも話題の「重曹」がおすすめです。
食べ物を入れていた際の油汚れやたんぱく質の汚れ、香辛料・スパイスのにおい移りにも効果を発揮してくれます。
タッパーに「重曹」を2~3杯入れて、ぬるま湯を入れて2~3分シャカシャカ振って「重曹」を溶かし、小一時間放置した後に洗い流しましょう。
菌の抑制機能もあり、雑菌の繁殖を抑える効果も期待できます。
コーヒーかすを使ったにおい取り
コーヒーを入れた際に出るコーヒーかすが、消臭効果があることを聞いたことはありませんか?
コーヒーかすには湿気やにおいを吸着する働きがあるため、乾燥させてプラスチック容器に入れておくだけでも効果があります。
コーヒーかすは、新聞紙などに平らに広げて天日干しをしたり、耐熱皿に平らに広げて電子レンジにかけると、ちょうどよく乾燥しますので試してみてくださいね。
お米の研ぎ汁を使ったにおい取り
お米を研ぐと油分やデンプンが流れ出てくるのですが、実はこの中に「γ(ガンマ)グロブリン」と呼ばれる界面活性剤の働きをする物質が含まれています。
界面活性剤といえば、汚れを落とす働きがあり、主に洗剤に含まれている成分です。
同じく研ぎ汁も洗浄力が高いため、プラスチック容器を30分を目安に浸け置きすることで、汚れと一緒ににおいも落としてくれます。
新品のプラスチック製品のにおいを取る方法
樹脂と結合しきれなかった可塑剤が揮発して漏れ出ていることでプラスチック週がするため、風通しの良い場所に置いておけば自然とにおいが薄れます。
数日、箱などにしまわずに置いておくと良いでしょう。
急ぎで使いたい場合で、においが気になるときは中性洗剤で洗うのも一つの方法です。
日常のプラスチック製品のにおい取りの方法をご紹介しましたが、岡畑興産では産業分野でも「ゴム製品の悪臭低減プロジェクト」にも取り組んでおります。
製品自体のにおいをマスキングすることで、いままで当たり前と思っていた製品のにおい改善につなげようとしております。
こちらのブログも参考にしてくださいね。
工場の臭気対策を詳しく解説!事例や対策期間、業者の選び方まで
生産現場の臭い抑制は生産環境の改善にもつながります。
製品のにおい低減・生産現場のにおい改善でお困りの際は、岡畑興産にぜひご連絡ください!
プラスチックのにおいは予防も可能!放置せずに早めの対策を
放置してしまうとこれらの方法では改善が見込めないこともありますので、早めの対策に越したことは言うまでもありません。
また、事前対策として使用前にラップを敷いて食材を入れるなどの工夫で臭い・色移りの防止につながります。
オリーブオイルを薄めに塗るのも効果が期待できますよ!
また、ごみ箱に生ごみなどのにおいが付く場合もあるので、底に新聞紙や厚紙を敷くと湿気を吸ってくれて、悪臭を防ぐことができます。
生ごみが腐ったりして、においが浸透してしまうとなかなか消臭対策を施しても取れないケースが多いので、特に気をつけましょう。
においが付きやすいプラスチックにも良い点はたくさんある!特性もご紹介
においが付きやすいという点はありますが、プラスチックにはさまざまな良い点があります。
プラスチックの特性やメリットについても、参考にお伝えしますね!
プラスチックは合成樹脂であるとお伝えしましたが、大元の原料は原油から作られるナフサで、ナフサを加熱・分解して、エチレンやプロピレンといったメイン物質を取り出し、それらを合成させてプラスチックにしています。
プラスチックには以下のような特徴やメリットがあります。
- 軽い
- 錆びない
- 断熱性に優れている
- 摩耗しにくい
- 水や薬品に強い
- 腐食しにくい
- 衝撃に強く傷が付きにくい
- 電流を通しにくい
- 着色しやすい
- 加工しやすい
- 熱を加えると変形する
このように扱いやすいため、簡単に大量の製品を生産することが可能です。
プラスチックの種類は「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に大別され、「熱可塑性樹脂」も汎用プラスチック・汎用エンプラ・スーパーエンプラの3種類に大別されています。
汎用プラスチックは、耐熱温度100℃以下で、頑丈さはあまり高くないですが、生産されるものの多くはこちらに該当し、ポリエチレンやポリプロピレンが主力です。
汎用エンプラは、耐熱温度が100℃以上のもので、頑丈さは汎用プラスチックよりも高いので、安全面が求められる環境で使われることも。
有名どころは防弾チョッキやヘルメットなどに使われているポリアミド樹脂で、岡畑興産はポリアミド流動性向上剤も取り扱っております。
ちなみに防弾チョッキにはアラミド繊維という特殊繊維が使用されることもあります。
「アラミド繊維とは?その特徴や用途について詳しく解説!」もチェックしてみてくださいね。
スーパーエンプラは、耐熱温度150℃以上のもので、かなり高い温度条件下で使用する部品に採用されています。
代表的なスーパーエンプラは、PEEK(ポリエーテル・エーテルケトン)やPEKK(ポリエーテル・ケトン・ケトン)です。
一方、熱硬化性樹脂の種類には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂などがあります。
3Dプリンターの材料であるエポキシ樹脂が有名です。
プラスチックのにおい取りの方法を知って適切な対策を!
今や我々の生活に浸透しているプラスチック。
化学的には「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に大別され、機能によって身近なものから特殊製品に至るまで幅広く活躍しております。
今回はにおいを取る方法をご紹介しましたが、プラスチックはちょっとした工夫で寿命を延ばせたり、再度使用できる状態に持っていけたりします。
リサイクルも大事ですが、長く使用することもエコにつながると思いますので、まずは身近にあるだろうキッチン回りの商材を利用して、ちょっとしたエコにも取り組んでみませんか?
SDG‘sの12項にもある「つくる責任・つかう責任」持続可能な消費と生産のパターン確保の一助になれば幸いです。
また、岡畑興産が運営している常設オンライン展示会「どこ展-どこでも、ひとり展示会」や「岡畑興産ブログ」でも、さまざまな機能性原料・化粧品原料を詳しく展示していますので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね。