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岡畑興産ブログ

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2022.02.09

「見えるヒアルロン酸」 ヒアルロン酸ファイバー・シートの開発秘話

ヒアルロン酸Naへの理解と愛情でできた “かたち(固形化)”

見えるヒアルロン酸

岡畑興産ブログどこ展岡畑興産YouTubeチャンネルでご紹介してきた「見えるヒアルロン酸」こと、ヒアルロン酸ファイバー・シート。

画期的なこの製品が、一体どのようにして開発されたのか。メーカーであるJinwoo Bioの権社長に開発秘話をお伺いしました。

Jinwoo Bio、権社長の経歴

日本産業総合研究所(National Institute of Advanced Industrial Science & Technology)で、ヒアルロン酸ナトリウムに関連する研究を3年間担当。

ヒアルロン酸ナトリウムの大手メーカー・Kolon Life Scienceへ入社した後は、ヒアルロン酸ナトリウムの製造と形状化の研究を10年間担当していました。

その後、2013年に独立、Jinwoo Bioを設立しました。

会社員時代と、Jinwoo Bio設立後の変化

会社員だったときは、自分が考える仕事内容が限られていました。

会社は開発案件をいち早くビジネス化することに重点を置いていたので、商品開発の時は価格競争力にだけ注力していました。いわゆる、「木を見て森を見ず」の状態です。また、自分がやりたい研究はなかなか出来ませんでした。

しかし、Jinwoo Bioを設立してからは、自分がオーナーとなって会社を運営する立場になり、「木を見るのではなく森を見る」ことを大切にしています。価格競争力よりも、他の会社がまだやっていない画期的な製品開発に注力しています。

その一つが、「ヒアルロン酸ナトリウムの固形化」です。

ヒアルロン酸ナトリウムが使われている製品は液状のものがほとんどで、97%以上が水。ヒアルロン酸ナトリウムの濃度は、高くてもたったの2.5%程度です。

ヒアルロン酸ナトリウムの含有量を上げた製品を開発したいとずっと考えていました。

「ヒアルロン酸ナトリウムの固形化」は簡単ではなかった

ヒアルロン酸ナトリウム水溶液はとても粘度が高くなるため、水溶液の状態でヒアルロン酸ナトリウムの含有量を上げるのは不可能でした。

ヒアルロン酸ナトリウムの含有量を上げるには、水の量を最小化・・・すなわち固形化すればいい。ヒアルロン酸ナトリウムは通常粉末の状態で流通していますが、粉末ではない、別の形で固形化するにはどんな方法があるか、悩みました。

Kolonに在籍していた頃の経験を思い出してみると、Kolonという会社は合成高分子を活用した産業用繊維やフィルム、不織布産業に強い会社でした。

私の持っている「ヒアルロン酸ナトリウムの知識」と、Kolonの「合成高分子を加工する技術」を合わせたら、ファイバー、フィルム、ウール状、不織布状・・・様々な形状のヒアルロン酸ナトリウムが作れるのでは?と気付いたのです。

なぜ、「ヒアルロン酸ナトリウムの固形化」が可能になったのか

ヒアルロン酸ナトリウムメーカーのほとんどは、ヒアルロン酸ナトリウムの発酵工程で使用する菌株と製造工程が決められています。それ以外の菌株を使ったり、それ以外の製法で製造することはありません。

そうすると、ヒアルロン酸ナトリウムの物性が限定されてしまいます。

Jinwoo Bioでは、ヒアルロン酸ナトリウムを複数の工場でOEM生産しており、様々な製造法を知っています。また、化粧品、食品、医薬品の用途別に最適な菌株を選定しています。

つまり、「ヒアルロン酸ナトリウムについての理解度が高い」のです。

ヒアルロン酸ナトリウムに対する深い知識があってこそ、「ヒアルロン酸ナトリウムの固形化」に最適なヒアルロン酸ナトリウムを選定することが出来たのです。

ヒアルロン酸ファイバー・シートの応用

2016年にヒアルロン酸ナトリウムを固形化する技術を確立。それからは、美容分野だけでなく、医療機器分野での製品開発に成功しています。

例えば、ヒアルロン酸ファイバーは、体内で溶けるため、縫合用の糸として整形外科分野で採用が進んでいます。フィルムや不織布は口腔内の傷を治療する薬剤として開発が進んでいます。

ヒアルロン酸ナトリウムをシート化することで、水を含まない処方になるため、防腐剤フリーの化粧品にも応用できます。

大手企業に出来ないことでも、Jinwoo Bioには出来る!

Jinwoo Bio設立当時は、「大手企業ができないことを、小さなJinwoo Bioに出来るのか?」といつも言われていました。設立から数年はなかなか開発も進まず、言い返す言葉もありませんでした。

しかし、今では「大手企業に出来ないことでも、Jinwoo Bioには出来る!」と自信を持って言えます。大手企業との一番の違いは、ヒアルロン酸ナトリウムに対する愛情、理解度でしょう。

例え話ですが、子どもを育てるとき、小さな頃から育てるのと、成人してから育てるのでは、育児の大変さや子どもに対する理解度が異なってくるでしょう。Jinwoo Bioは、小さな子どもを育てるのと同じように、愛情込めてヒアルロン酸ナトリウムを開発してきた会社なのです。

権 東健

株式会社Jinwoo Bio代表理事

いつも肌がキレイな権社長ですが、ご自身のスキンケアにもJinwoo Bioのヒアルロン酸ナトリウム化粧水を使われているそうです。

 

〈インタビュアー:岡畑コリア 洪、岡畑興産 菅〉

※岡畑興産の「どこ展」、見えるヒアルロン酸でもご紹介しています。

岡畑興産 菅 カン

岡畑興産株式会社
機能化学品事業部

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