2022.10.12
消毒液の原料「アルコール(エタノール)」の特徴や効果とは?
こんにちは、岡畑興産の吉江です。
ウィズ・コロナの生活が長くなり、すっかり私たちの身近な存在となった消毒液。
「消毒液」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、街中の店頭に設置されている手指消毒液や、飲食店で机等を消毒する際に使用しているスプレータイプの消毒液が多いと思います。
ですが、そんな消毒液にも様々な種類があることは知っていましたか?
今回は「消毒液の原料」について、種類や特徴、効果などを詳しく解説させていただきます。
目次
消毒液の主な原料「アルコール」とは?
化学におけるアルコールとは、炭化水素の水素原子がヒドロキシ基(-OH)に置き換えられた化学物質の総称です。
最も単純な構造を持つアルコールはメタノール(CH3OH)と呼ばれ、炭素元素が増えていくとエタノール(C2H5OH)、プロパノール(C3H7OH)と名称が変わっていきます。
つまり、アルコールとは大枠の呼び方であり、その中にメタノールやエタノールといった化学物質があります。
アルコールの中でも消毒液に使われるものはエタノールと呼ばれ、合成エタノールと発酵エタノールという種類があります。
合成エタノールはエチレンと水を原料として化学反応によって合成されており、化学工業用としても利用される高純度なものです。
洗剤・化粧品・医薬品の原料として使用されることが多いです。
一方、発酵エタノールは糖質原料(サトウキビ等)やでんぷん質原料(トウモロコシ等)を発酵させて作られており、人の肌にも安心して使えるということで消毒液に用いられることが多いです。
消毒液の原料「消毒用エタノール」「消毒用エタノールIP」の違い
販売されている消毒用エタノールには「消毒用エタノール」と「消毒用エタノールIP」と似ている製品が販売されています。
主な効果は同じですが、いくつか違いもありますのでご紹介します。
原料は同じ
消毒用エタノール、消毒用エタノールIPに含まれているエタノールは、どちらもサトウキビから作られた発酵エタノールを使用しています。
お酒に含まれているものと同じであり、天然原料由来であるため、器具や物品の消毒以外に人の肌にも安心して使えます。
成分は異なる
消毒用エタノールと消毒用エタノールIPは効能も似ていますが、含まれている成分が少し異なります。
消毒用エタノールには、エタノール(76.9~81.4vol%)が含まれています。
これに対して、消毒用エタノールIPにはエタノール(76.9~81.4vol%)に加え、添加物としてイソプロパノールが含まれています。
なお、両者の殺菌効果は同じであり、その使い方にも違いはありません。
酒税の有無
エタノールは第一級アルコール、それに対してイソプロパノールは第二級アルコールであるため、酒税がかかりません。
そのため、イソプロパノールを使用した製品は低価格で提供できます。
消毒液の原料「アルコール(エタノール)」のメリットや他の除菌との違い
消毒液の原料によく使われるエタノールの説明をしてきましたが、市販されている殺菌剤や除菌剤には「次亜塩素酸ナトリウム」というものもあります。
次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)は、主に漂白剤に使われる成分です。
どちらが入っているものを選べば良いか迷う方も多いため、エタノールのメリットと共に、次亜塩素酸ナトリウムとの違いについてもご紹介していきましょう。
消毒液エタノールのメリット
消毒に使われるエタノールは細菌に対しての効果が高いため、手指の消毒や身の回りの製品の消毒に使用できます。
揮発性が高いため、使用後も残りにくくベタ付きも少ないです。
安全性が高いことも大きなメリットといえるでしょう。
次亜塩素酸ナトリウムとエタノールの違い
ウイルスには、エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスの2種類が存在します。
エンベロープとは、ウイルスの外側を覆っている脂質二重膜のことです。
- エンベロープウイルス:コロナウイルス、インフルエンザウイルス
- ノンエンベロープウイルス:ノロウイルス、ロタウイルス
一般的にエンベロープはエタノールや界面活性剤(石けん)によって破壊することが可能なため、ウイルスに効果があります。
一方でノンエンベロープウイルスはエタノールに強いため、効きにくいとされています。
次亜塩素酸ナトリウムは、エタノールが効きにくいノンエンベロープウイルスにも効果があります。
消毒液の原料の特徴を知って正しい選択を!
私たちの生活にすっかり馴染み深くなった「消毒液」全て同じようなものと思ってもそこには違いがあります。
その違いを理解することでより良い使い方が出来ると思います。
消毒液によく使われるエタノールは安全性が高い原料ですので身の回りの様々なところで使うことが出来ます。
ちなみに、日本ではスプレータイプの消毒液が主流ですが、韓国ではジェルタイプが主流なんです。
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