2024.09.09
自然分解が可能な高吸水性ポリマーとは?仕組みや用途も確認!
こんにちは、岡畑興産の吉江です。
紙おむつやペットシート、保冷用ゲル剤など私たちの生活のいたるところで使用されている高吸水性ポリマー。
環境に配慮した製品が増えている中、自然分解が可能な高吸水性ポリマーが開発されたのをご存じでしょうか。
今回は、この高吸水ポリマーについて、どんな仕組みで自然分解できるのか、どんな用途に使用されているのかを解説します。
自然分解可能な高吸水性ポリマーを開発!その仕組みは?
高吸水性ポリマーはSAP(Super Absorbent Polymer)とも呼ばれ、自重の100倍〜1000倍の水を吸水できる高い水分保持性能を有するように設計された高分子です。
詳しくはこちらのブログでも解説しています。
高吸水性ポリマーは、石油由来のアクリル酸が主流です。
高級性ポリマーは自然界では分解されず、埋め立てによる処理ができないため、一般的に焼却処理されています。
しかし、焼却処理はCO2の排出を伴うため、環境汚染の問題が指摘されており、さらに今後の石油資源の枯渇も懸念されている状態です。
こうした問題への対策として、木に含まれるセルロースや、果物の皮などの残渣(ざんさ)など、天然由来で自然分解可能な素材を原料にした、環境にやさしい高吸水性ポリマーが開発されています。
例えば、日本では「デンプン」を使った高吸水性ポリマーや、海水中で分解される高バイオマス度の高吸水性ポリマーが開発されており、韓国のLG化学ではバイオ由来のナフサを使用した「バイオバランスSAP」という高吸水性ポリマーも開発されています。
自然分解可能な高吸水性ポリマーの用途もご紹介
高吸水性ポリマーは、紙おむつやナプキン、ペットシート、保冷用ゲル剤、使い捨てカイロ、ゲル芳香剤、廃血液固化剤などに活用されていますが、自然分解可能な高吸水性ポリマーは特に農業用途での活用がおすすめです。
農業での用途だと、土壌保水剤、育苗用シート、土壌改質などに使用されています。
例えば、土壌を湿潤な状態に保つために土壌に混合または散布して使用されることが多いです。
土壌の潤いを持続させる高吸水性ポリマーは、植物の成長を促進するだけでなく、水・肥料のコスト削減や土壌改良にも効果を発揮します。
降水量が多い地域でも一定以上の水は保水しない特徴を活かして、水はけの向上、作物の根腐れ防止にも効果があります。
高吸水性ポリマーの農業における活用については、こちらのブログでも解説しています。
SAP(高吸水性ポリマー)の特徴から農業における活用までご紹介!
自然分解可能な高吸水性ポリマーで環境負荷を低減しよう!
高吸水性ポリマーは、アクリル酸など石油由来の原料が主流です。
従来の高吸水性ポリマーは自然界で分解しないため、焼却処理が必要になり、環境汚染の問題が指摘されています。
そのため、近年では天然由来の原料を使った自然分解可能な高吸水性ポリマーが開発されています。
自然分解可能な高吸水性ポリマーは、農業用途で使用されることが多いです。
現在も各企業で研究・開発が進められており、今後の動きに注目したい分野です。
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