2026.02.09
カーボンナノチューブ(CNT)とは?構造・作り方・用途も解説!
こんにちは!岡畑興産の山口です。
近年、次々世代素材として名前を聞くことが増えてきた「カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:CNT)」。
鋼の20倍の強度、アルミの半分ほどの軽さ、銅の10倍の熱伝導性、銅の1000倍以上の電流密度耐性があるといわれる夢の素材で、なんと日本で発見された素材でもあります。
従来の金属や樹脂ではなしえなかった性能を持つことから、さまざまな分野での応用が期待されています。
今回はカーボンナノチューブ(CNT)について詳しく解説!
カーボンナノチューブの基本情報から、構造や作り方、用途例までお話していきます。

目次
カーボンナノチューブ(CNT)とは?構造と基本情報から確認
カーボンナノチューブ(CNT)は、「炭素(Carbon)」からなる直径が「ナノ(Nano)」スケールの「筒(Tube)状」の物質です。
1991年に飯島澄男博士によって発見され、優れた物理的・化学的特性をもつ素材として世界中で研究がなされています。
固体の炭素物質の構造として、従来は次のものが知られていました。
- ダイヤモンド構造:正四面体構造。代表例はダイヤモンド
- 非晶質構造:規則性な結晶構造を持たない。代表例は活性炭
- グラファイト構造:六角形格子からなる層の重なり。代表例は黒鉛
- フラーレン構造:サッカーボール状。代表例はフラーレン(C60)
これに対し、カーボンナノチューブは六角形の網目状のグラファイトの層が筒状に丸まった構造をしています。
カーボンナノチューブの中でも一層からなる単層カーボンナノチューブ(SWCNT:Single Wall Carbon Nano Tube)、同心円状にチューブが重なった多層カーボンナノチューブ(MWCNT:Muliti Wall Carbon Nano Tube)があり、どちらも開発が進んでいます。
カーボンナノチューブは、非常に高い機械的強度や軽量性、電気伝導性などを兼ね備えており、従来の金属や樹脂では実現できなかった性能を発揮する先端高機能材料として注目を集めています。
実際に、軽量で強度が求められる航空機や自動車部品、導電性が必要なリチウムイオン電池(LiB)やキャパシタ、精密機器向けセンサーなど、多様な分野で実用化・研究開発が進められています。
カーボンナノチューブ(CNT)の特徴・性質
カーボンナノチューブ(CNT)は強く、軽く、よく電気を通すことが最大の魅力です。
これらの性能の高さから、幅広い分野での応用が期待されています。
- 強度:鋼の20倍
- 軽量性:アルミの半分の密度
- 電気伝導性:銅の1000倍以上の電流密度耐性
- 熱伝導性:銅の10倍
カーボンナノチューブ(CNT)の主な製造方法をご紹介
カーボンナノチューブ(CNT)の製造方法としては、主に以下の3つが知られています。
①アーク放電法
炭素電極間に高い電流をかけて「アーク放電」を発生させて、カーボンナノチューブを生成する方法です。
高純度なカーボンナノチューブが得られますが、まとまった量を得るのが難しく、量産には不向きです。
②レーザーアブレーション法
触媒を混ぜた黒鉛にレーザーを照射して蒸発させ、アルゴンガスを流すことでカーボンナノチューブを生成します。
直径のそろったカーボンナノチューブを得ることができ、生成機構の解明などに向いていますが、収量が少なく量産には不向きな方法です。
③化学気相成長法(CVD法)
炭化水素ガス(メタン、エチレン、ベンゼンなど)を触媒下で熱分解させて、カーボンナノチューブを生成する方法です。
上の2つの方法に比べ高収率かつ低コストで生成できるため、大量生産向きの方法とされています。
カーボンナノチューブ(CNT)の用途は?電池分野での活用に注目!

カーボンナノチューブ(CNT)は優れた強度、軽さ、電気・熱伝導性から、高機能素材として幅広い産業分野で注目されています。
主な分野と用途例をご紹介します。
- エネルギー分野:リチウムイオン電池(LiB)の導電助剤、燃料電池の触媒担持など
- エレクトロニクス分野:キャパシタ、トランスタ、メモリ、センサーなど
- 構造材料:航空機、自動車、スポーツ用品などの軽量・高強度部材など
- 医療分野:ドラッグデリバリーシステム(DDS)におけるキャリアー、バイオセンサーなど
また、地球と宇宙をつなぐ宇宙エレベーター向けのケーブル材料としても期待できることが話題になっています。
カーボンナノチューブ(CNT)は高機能素材として注目度が上昇中!
カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素からなるナノサイズの筒状構造をもつ先端高機能材料です。
優れた強度、軽量性、電気・熱伝導性を兼ね備えており、電子機器から電池、医療、構造材料まで幅広く活用が期待されています。
カーボンナノチューブは、今後の技術革新を支える先端高機能素材として注目度が高まっている材料です。
宇宙エレベーターのケーブル材料としての研究も進んでおり、地球上だけでなく宇宙開発分野にも活用が広がっています。
これからの技術発展とともに、カーボンナノチューブがもたらす新しい可能性に一層の期待が寄せられています。
岡畑興産のWEBコンテンツ「岡畑興産ブログ」や「どこ展2.0」では、化粧品原料や機能材原料について詳しく紹介しております。
こちらもぜひご覧くださいね!
