2024.05.27
水処理とは?目的・処理方法・使用する薬品についても解説!
こんにちは、岡畑興産の佐藤です。
水処理とは何か、どんな目的があるのか、ご存じの方はいるでしょうか?
水処理は私たちが飲む水だけでなく、製品を作る際や使った水を自然に戻す際にも行われる重要な処理です。
今回は水処理と水処理薬品について、詳しく解説したいと思います。
目次
水処理とは?必要性や目的を解説
水の中にはいろいろな種類の汚濁物質が存在し、後ほど詳しくご紹介しますが、水の汚染物質には有機物、無機物、微生物、重金属、農薬、薬品などさまざまな種類があります。
これらの汚染物質は、自然界からの流入や産業廃棄物、農業排水、人間の生活排水などによって水中に存在しますが、取り除いてきれいにすることを「水処理」と言います。
水処理を行うことで、人々が安全に飲料水を摂取したり、産業プロセス(工業用純水など)に使用したりするための適切な水質を提供することができるのです。
また、冷却水やボイラー水など、製品を作る際に必要な水も水処理を行っています。
そして、利用した排水を浄化処理し、自然環境への負荷を少なくして自然に返す際にも水処理が行われます。
具体的には、公共下水や事業場排水などの水処理です。
水処理を行わなければいけない水には、どんな汚染物質が含まれているか、どう取り除いているのかも説明しましょう。
水の中の汚濁物質にはどんな種類があり、どう取り除いている?
日本は非常に水に恵まれている国で、ここまで素晴らしい水回路が敷かれている国は世界トップレベルです。
一昔前は水は買うモノという認識も薄かったと思いますが、現在では自動販売機でも売られており、ショッピングモールで機器の販売もよく目にされると思います。
先ほどもお伝えした通り、無色透明に見えている水ですが、実はいろんなものが混ざっています。
例えば、細かい物質(ゴミ、埃、粘土質、砂鉄など)、水生生物(細菌、微生物など)、有機物質(微生物の働きで分解された炭素を含む化学物質、家庭用排水や工業廃水が自然界へ流出したものなど)、無機塩類(カルシウム・マグネシウムなどの硬度成分、塩分、溶解鉄など)、気体(二酸化炭素、酸素、硫化水素など)などがあります。
なぜ処理をする必要があるかというと、以下が代表例としてあげられます。
- 川の水を飲料用水に仕上げる
- 水道水を純水にして工場などで活用する
一番身近な飲み水で考えると、川の水を見ていただくと川底の泥や有機物、微生物などが混入し、濁りがあったり着色していることがわかります。
これらを取り除いて殺菌処理をすることで、無色透明で安全な飲料水を製造して皆さまにお届けしているのです。
ある程度細かい物質や微生物がすでに取り除かれている水道水からさらにナトリウムやカルシウムといった無機塩類や二酸化炭素などを取り除いて純水※を作ります。
※純水とは不純物が殆ど入っていない水のこと
このとき、最初に入っていた無機塩類はほぼ100%除去され、不純物の少ない純水になり、最終的に蛇口をひねれば出てくる水道水になります。
水道水を綺麗にする工程を説明すると、まず、ある程度細かい物質や微生物がすでに取り除かれている水道水からさらにナトリウムやカルシウムといった無機塩類や二酸化炭素などを取り除いて純水※を作ります。
※純水とは不純物が殆ど入っていない水のこと
このとき、最初に入っていた無機塩類はほぼ100%除去され、不純物の少ない純水になり、最終的に蛇口をひねれば出てくる水道水になるという仕組みです。
では、水処理装置や薬品を使った水処理方法についても次でご紹介していきましょう。
水処理装置や使われる薬品についてもご紹介
水処理装置としては、ろ過装置、沈降槽、凝集剤の添加装置などが一般的に使用されます。
これらの装置は、異物や不純物を取り除き、水を浄化する役割を果たします。
また、水処理ではさまざまな薬品が使用されます。
これらの薬品は、水処理プロセスにおいて重要な役割を果たし、水の品質を向上させるために使用されます。
工業用では冷却水の水処理、ボイラー水の水処理なども行われています。
代表的な水処理薬品の種類とその役割もご紹介しましょう。
・凝集剤
微小な浮遊物質を凝集させて取り除きます。
・消毒薬
微生物や病原体を殺菌し、安全な水質を確保します。
・殺菌剤
微生物の繁殖を抑制するために使用されます。
水道水では塩素、オゾン、紫外線など。
工業的には臭素系やチアゾリン系など様々な殺菌剤が使用されます。
・腐食防止剤
金属部品の腐食を防ぐために使用されます。
燐酸系、アミン系、亜硝酸系などが使用されます。
・スケール抑制剤
スケールの形成を抑制するために使用されます。
リン酸系、水溶性ポリカルボン酸系などが一般的です。
また、スケールの原因となる金属イオンを除去する為にキレート剤も使用されます。
岡畑興産では水処理薬品の原料として使用可能な特殊なキレート剤や殺菌剤原料、水溶性アミン化合物、凝集剤の原料となる粉体アクリルアミドなど、機能的な原料を国内外から供給しています。
水処理薬品でお困りのことがあれば、ご遠慮なくお問い合わせください!
装置や薬品を使った水処理方法の例もご紹介
水処理は装置や薬品を使ってどう行うのか、その内容も気になりますよね。
例として、工業用の冷却水・ボイラー水の水処理を参考にご説明しましょう。
冷却水とは産業プロセスや建物の空調システムなどで使用される水のこと。
ボイラーはボイラーは熱や蒸気を発生させるために水を加熱する装置で、ボイラー水はボイラーの中に入れる水のことです。
冷却水の水処理方法冷却水として使えるようにするためには、以下の水処理を行います。
・ろ過(フィルタリング)
ろ過装置を使って、冷却水中の固形物や浮遊物を取り除くために、ろ過処理を行います。
・スケール抑制
冷却水中の塩分に起因するスケールを除去。
キレート効果のある成分やイオン交換や逆浸透膜などの技術も使用されます。
・スライムコントロール
冷却水中の微生物の繁殖を抑制するために殺菌剤や生物剤を使用します。
続いて、ボイラー水処理方法もご紹介します。
・脱酸素
ボイラー水中の酸素を除去するために脱酸素処理を行います。
酸素は腐食の原因となるため、脱酸素は重要です。
脱酸素方法には、化学脱酸素や物理脱酸素などがあります。
・スケール抑制
ボイラー内部のスケール(堆積物)はスケールは熱伝導率を低下させ、効率の低下や損傷の原因となります。
そのため、スケールを抑制する目的でスケール抑制剤を使用します。
・腐食防止
ボイラー内部の金属部品の腐食を防ぐために、腐食防止剤を使用します。
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水処理というとあまりにも幅が広く本ブログ一つではまとめきれませんが、人の約70%は水分といわれるくらい身近な存在です。
飲み水だけではなく、農業用水・工業用水、最先端分野では超純水としてもニーズがあり、他分野で必須となる大切な資源である水を安心・安全な状態にもっていき、再利用も含め効率的な利用を目的にさまざまな方法で水処理が行われております。
限りある資源を大切にしていく水処理分野で、岡畑興産もできる限り協力してまいります。
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