2025.05.08
バクチオールとは?効果や使い方を解説!レチノールとの違いも
こんにちは、岡畑興産の川野です。
みなさんは、「バクチオール」という原料を聞いたこと、見たことはありますでしょうか?
「次世代レチノール」や「ヴィーガンレチノール」と呼ばれたり、コンビニやドラッグストアの化粧品に含まれたりしている成分のため、どのような機能や効果がある成分なのか気になって、調べたことがある方もいるのではないでしょうか。
今回は、バクチオールについて詳しく解説していきます。
目次
バクチオールとは?注目の植物由来成分をチェック
基本情報
- 化粧品表示名称:バクチオール
- INCI名:Bakuchiol
- CAS No.:10309-37-2
バクチオールは、オランダビユというマメ科植物の種子由来の天然成分です。
オランダビユは、インド北西部とパキスタンで採取される植物です。
オランダビユは、インド・スリランカ発祥のアユールヴェーダや中国の医学で古くから使用されてきました。(アユールヴェーダは伝統医学であり、生命化学と訳されます。)
バクチオールに似た成分として、レチノールが挙げられます。
バクチオールはレチノールに比べると化粧品での知見は少ないとされていますが、欧米諸国では非常に注目されている化粧品成分です。
レチノールとバクチオールにはいくつかの違いがありますので、ご紹介します。
① 化学的な違い
レチノールとバクチオールは化学式・化学構造が異なります。
(a):バクチオール、(b):レチノール
Br J Dermatol, Volume: 180, Issue: 2, Pages: 289-296, First published: 27 June 2018, DOI: (10.1111/bjd.16918)
② 皮膚刺激性の違い
レチノールには、皮膚の新陳代謝を高める効果があります。
しかし、レチノールやレチノイン酸(ビタミンA誘導体)を肌に塗布した後、皮膚の新陳代謝が促されて、「レチノイド反応(A反応)」を引き起こすことがあります。
症状としては、赤みや皮むけ、乾燥感です。
これらの症状は、レチノールやビタミンA誘導体を配合した化粧品を使い始めた際の一時的な反応と考えられています。
赤みやヒリヒリとした痛みが強い場合は、A反応以外の原因も考えられるため、様子を見るもしくは、皮膚科専門医に相談する方が良いでしょう。
一方でバクチオールはビタミンA誘導体ではないため、A反応が起きにくいと考えられています。
しかし、バクチオール配合製品を使用する場合は、念のためパッチテストをして問題がないか確認することをおすすめします。
③ 安定性の違い
レチノールは、紫外線や熱、酸素に不安定で、分解されやすい性質を持っています。
そのため、夜のお手入れでの使用が推奨されています。
一方でバクチオールは、紫外線や熱、酸素に比較的安定した性質を持っているため、日中でも使用可能な成分です。
④ 他の化粧品成分との併用の違い
レチノールやビタミンA誘導体配合の化粧品を使用すると、肌のターンオーバーを促進する効果があるため、一時的に肌が敏感になることがあります。
そのため、ピーリング効果のあるサリチル酸、AHA、PHA等を同時に使用することは避けた方が良いと言われています。
また、レチノールとバクチオールの似ている点についても解説します。
バクチオールは、ヒトの肌でレチノールと似た下記の遺伝子発現を誘導することがわかっています。
- 肌のターンオーバーの活性化
- メラニン細胞刺激ホルモン活性化の阻害
- メラニン合成酵素、チロシナーゼの働きの抑制
- 真皮にある線維芽細胞の老化抑制、活性化(コラーゲン産生促進)
- 抗酸化作用
- 抗炎症作用
- 抗菌作用
具体的な効果は以下の通りです。
- 1.シワの予防・改善
- 2.ニキビや肌荒れの改善
- 3.毛穴詰まりや黒ずみの改善
- 4.シワやたるみの改善
バクチオール配合アイテムの選び方とおすすめの使い方
バクチオールは、主に化粧水、美容液やフェイスマスク等のスキンケア製品に配合されています。
上記で解説したとおり、シワやたるみ、ニキビの改善を目的として配合されます。
天然由来の原料であるため、天然由来をコンセプトにしたい場合にも配合されます。
即効性に関して言えば、レチノールはバクチオールと比較して、より迅速な効果をもたらすことで知られています。
一方で、バクチオールは継続的(数週間~1ヵ月以上)使用することで効果を実感していくと言われています。
バクチオール配合製品の使い始めは、レチノールと違い効果が実感しにくいことがありますが、継続的に使用することで肌質の変化を感じられます。
バクチオールの安全性は?注意点もご紹介
バクチオールは肌にやさしい成分と言われていますが、植物由来成分であることからアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
使用前にパッチテストして問題がないか確認することをおすすめします。
化粧品原料としてバクチオールを使用する際の注意点として、バクチオールは「医薬部外品」への配合が認められていません。
一方、レチノールは「シワ改善」の効果がある有効成分として、医薬部外品に配合可能です。
このように、バクチオールとレチノールは類似機能を持っていますが、配合可能な製品が異なる点にも注意が必要です。
バクチオールの効果や使い方を確認し、毎日のスキンケアに活用を!
バクチオールは、オランダビユの種子から得られる植物由来成分で、「次世代レチノール」とも呼ばれています。
レチノールと似た美肌効果(シワやニキビの改善、抗酸化・抗炎症作用など)を持ちながら、刺激が少なく安定性も高いのが特徴です。
日中でも使用でき、敏感肌の方にも使いやすい成分として注目されています。
ただし、医薬部外品には使用できず、使用前のパッチテストが推奨されます。
岡畑興産は、 KV naturals社(インド)のバクチオールを取り扱っています。
KV naturals社は、インド国内の植物由来原料から食品や化粧品原料を製造しているメーカーです。
岡畑興産は、2025年5月14日(水)~16日(金)のCITE JAPANでもKV naturals社の「バクチオール」を出展いたします。
こちらも、ぜひご覧ください!
岡畑興産が運営している岡畑興産ブログではさまざまな化学に関する知識を発信しており、常設オンライン展示会どこ展2.0でも化粧品原料について詳しくご紹介しています。
注目成分「バクチオール」は敏感肌OKな次世代レチノール!エイジングケア効果やおすすめ化粧品を解説 – LIFE U
【成分解説】バクチオールはレチノールの代替えになる?植物由来の次世代成分 | 美容医療のかかりつけ医 わたしの名医
注目成分バクチオールの効果と使い方。エイジングサインにアプローチするスキンケア12選|美容・化粧品情報はアットコスメ