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2022.08.18

台湾文化を象徴する日用品「青白サンダル」をご紹介

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こんにちは。

岡畑香港(在台湾)のCINDYです。

 

台湾の街中を歩いているとサンダルを履いている人を多く見かけることでしょう。

台湾の夏の天気は、お昼ごろまでは快晴だったのにも関わらず、午後になると天気が急変して突然スコールが降り出し、大雨が降り止まないことが多くあります。 そして雨期では一日中雨が降っている日がとても多いのです。

こんな台湾特有の天候のため、足元が濡れることが多く、濡れる前提でサンダルを履く人がほとんどです。

わざわざ靴下を履いて靴で出かけるのもめんどくさい、どうせ濡れるしということで、家の近くのスーパーやコンビニに買い物に出かけるとき、家の周りを散歩するときなど、それ以外でもちょっとした外出には台湾のみんなはサンダルで出かけること多いのです。

 

最近はおしゃれでデザイン性のあるサンダルも多いですが、今回は台湾の最も伝統的なサンダル「藍白拖(青白サンダル)」をご紹介したいと思います。

この青白サンダルは台湾オリジンで、一家に必ず1足、1人1足(?)持っているとも言われるぐらい台湾人が熱烈愛用する大衆的なサンダルです。

その歴史は…

昔、ほとんどの人は裸足で生活していましたが、工業製品の生産や販売が増えて、製品のパーツなどで足を怪我する人が出てきました。

また1950年代、当時アメリカ軍事援助顧問団が裸足で歩いている人を見かけ、非文化的と思ったのか、裸足ではなく履き物を履くように提言したそうです。
そこで台湾の国防部はそのアドバイスを受けて、当時ミリタリーブーツを生産している工場に大衆向けの簡単なカジュアルサンダルを開発するように指示をしました。

これが「藍白拖(青白サンダル)」の始まりです。

 

開発初期の青白サンダルのサンプルは白い靴底と青い縄のデザインでした。
なぜ青色と白色の2色だったのか? それは中華民国の国章である青天白日の紋章のイメージを元にこの2色を採用したそうです。

今の青白サンダルのデザインに定着したのは石化事業が台湾国内で展開した後になります。工場はより安い原料を使い、生産の機械化を導入して、青白サンダルを大量に生産できるようになりました。

 

どこの家にもあって、バスルームで使ったり、室内履きにしたり、そのまま外で履いたり、台湾の定番中のど定番の履き物なのですが、リアルな日常生活だけでなく、テレビ番組やローカルドラマでも俳優さんやタレントさんが青白サンダルを履いている光景が多く見られています。これも台湾の一つの草の根文化の象徴で、我々が台湾の郷土文化に誇りと自信を持っているからとも言えるでしょう。

 

また、最近では【台客】といって、ちょいダサが却って今っぽいという文化の流れもあるのです。

 

メモ

【台客/タイクー】 第二次大戦の後に、海外から入ってきた人が台湾人を田舎者と馬鹿にして呼んだ言葉。 今も垢抜けない田舎者というニュアンスで使われることが多いが、最近では台湾っぽい、ロコっぽい若者、若者文化という意味でも使われるようになった。 レトロっぽくロコっぽくて逆に格好いいというニュアンスがある。
男性を指す台客/タイクーに対して、女性は台妹/タイメィ

 

 

 

青白サンダルの足を乗せる部分は特殊な樹脂で作られています。 時間をかけて足になじんで、他人の青白サンダルを履いた瞬間に自分のものではないとわかるぐらい、ONLY ONEの自分専用のサンダルになるのが特徴です。

ソールはEVA素材で軽くて、底をギザキザの形にしていることで、地面との摩擦を大きくして滑りやすい濡れた路面などでの転倒を防ぐことができます。

 

また青白サンダルは履くだけではなく、別の用途としてゴキブリを退治するのによく使われています。 雑誌や新聞紙より使いやすく、最強のゴキブリキラーとも言われているくらいです! 日本のスリッパと同じですね…

 

値段は50台湾元ぐらい、スーパーやコンビニで売っています。 だいたい日本円にすると200円くらいでしょうか。

これだけの機能があり、とてもコストパフォーマンスが高いですね!

 

一年間の販売足数は96万足。売上は少なくとも4500万台湾元(約1億8千万円)以上。

1950年頃に登場して以来、今でも愛用されていてる台湾経済成長奇跡の一つです。

 

 

今では青白のコンビネーションだけではなく、赤白、ピンク白、緑白などたくさんのバリエーションがあります。

台湾に来たら、ぜひ近くのスーパーに立ち寄り、この台湾を代表するレトロ雑貨の一つの青白サンダルを1足手に入れてみてください。

 

 

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