2023.06.23
フルフラールとは?製法や産地、用途について詳しく解説!
こんにちは、岡畑興産の山口です。
今回は化学品の一種であるフルフラールについて説明します。
フルフラールはその独特な特性と多様な用途で、さまざまな産業分野で重要な役割を果たしています。
このブログでは、フルフラールの製法と産地、用途について詳しくご紹介していきます!
フルフラールの基本情報
化学品名 : フルフラール(Furfural)
別名 : 2-フランカルボキシアルデヒド (2-furancarboxaldehyde)、
2-フルアルデヒド(2-Furaldehyde)
CAS No : 98-01-1
構造式:
フルフラールの製法と産地
フルフラールとは、トウモロコシの穂軸、燕麦などの籾殻、サトウキビの絞りかす、ふすまなど農産物の副産物やおがくずなどを原料にして製造される芳香族アルデヒドの一種です。
これらの原料が取れる中国、ヨーロッパ、ドミニカ共和国を含む北米が主な産地で、植物に含まれる多糖類やヘミセルロースを加水分解し、その後脱水反応させることで生産されます。
フルフラールの用途
石油化学においてはジエン類を抽出する溶剤や、溶剤精製(溶剤抽出法)を用いる潤滑油精製に使用されています。
また、フルフラールは、フルフリルアルコール、テトラヒドロフランやフランなどの溶剤を製造する原料としても用いられるなど、幅広い用途で使用されています。
フルフラールの誘導品であるフルフリルアルコールはフルフラールの触媒による水素添加反応により工業的に製造されています。
フルフリルアルコールは溶媒としても利用されますが、フェノール、アセトン、尿素などの原料とともに、ブレーキや鋳造などに用いるフラン樹脂を製造する原料に使用されます。
また、香料やフレーバーの製造、合成樹脂の製造、農業における殺虫剤の原料などがあります。特に香料やフレーバーの分野では、その独特な香りや味わいを活かして、多くの製品に利用されています。
さらには、接着剤・湿潤剤など様々な化成品の原料として利用されるなど幅広い分野で活用されています。
岡畑興産の取組み
岡畑興産は、フルフラールのソーシングにおいて重要な役割を果たしてきました。
その取組みの歴史を振り返ると、最初はフルフラールの誘導品を中国より輸入し、国内のお客様に供給してきました。しかし、契約期中の値上げや生産不安定などの問題に直面した苦い歴史があります。
その後、タイのAurus社からフルフラールを輸入販売。お客様に中国以外のソースとして安定的に使用して頂いていましたが、同社の廃業により中断。現在は、ベルギーからの調達に切り替え、日本顧客のBCP(事業継続計画)に対応しています。
岡畑興産はアジアを中心にソーシング活動を展開しています。特に日本、中国、韓国、台湾、インドなどの地域で強力な供給網を構築しています。
しかし、岡畑興産は単にアジアソーシングだけではなく、米国、欧州、豪州など必要に応じてグローバルな視点でのソーシング活動も行い、より幅広いニーズに対応しています。
まとめ
フルフラールは、農産物の副産物やおがくずなど、バイオマス原料を化学的な合成によって製造される重要な化学品です。
岡畑興産はそのソーシング活動において、これまでの経験より重要な役割を果たしています。
フルフラール及びその誘導品についてご興味のある方は、遠慮なくお問い合わせください。
岡畑興産は、東アジアを中心とした化学品専門商社です。
取り扱いのある機能製品・香粧品関連原料は「どこ展」でもご紹介しておりますので、よければそちらも覗いてみてくださいね。