2024.12.02
中国政府による化粧品成分開示の規制が強化!遵守すべき規制を確認
こんにちは、岡畑興産の尾﨑です。
今や世界中で4300億ドル以上の規模となっている化粧品市場。
世界中の化粧品がさまざまな国に輸出されています。
海外でも日本の化粧品は人気なので、輸出の機会も増えているかと思います。
その際の輸出規制について、2024年から厳しくなったことをご存じでしょうか?
今回は中国へ化粧品を輸出する前に確認したい規制についてのお話です。
輸出を考える前に、ぜひチェックしていきましょう。
目次
中国に化粧品を輸出するなら規制について確認!化粧品の分類も
化粧品の成分や取り扱いについて、日本でも法規制されているように、海外にも同じように規制があります。
その規制は各国によってさまざまで、輸出の際には遵守する必要があります。
中国の化粧品は大きく分けて下記2つに分類されます。
①特殊化粧品
② 一般化粧品
輸出の際に知っておくべき分類なので、それぞれご説明します。
①特殊化粧品
染髪用、パーマネント用、シミ取り用と美白、日焼け止め、抜け毛予防、および新たな効果のある化粧品が該当します。
特殊化粧品を輸入する際には、特殊化粧品登録証の取得が必要です。
② 一般化粧品
特殊化粧品以外の化粧品は、一般化粧品に該当します。
一般化粧品を輸入する際には、一般化粧品届出手続きを実施することが必要です。
中国政府による化粧品の成分開示の規制が強化!その内容を解説
2024年1月施行(21年6月公布)となった「化粧品ラベル管理弁法」をご存じですか?
この法律は、中国で販売される化粧品のラベル表示において、化粧品成分を0.1%単位で含有量の多い順に表記することを義務付けています。
これまでは含有量1%未満の成分に関する表示順の規定はありませんでしたが、今回新たに開示が必要となりました。
施行目的としては、消費者の合法的な権利と利益を保護するためです。
中国では化粧品に配合される成分の含有量が少ないにもかかわらず、あたかも効果があるように見せる化粧品が多数あり、それを整理するために、配合成分を0.1%単位で表示させることを義務付けたという側面があります。
中国向けに化粧品を輸出しているメーカーへの影響については、独自の成分についても登録が義務付けられたため、処方上のノウハウが流出し、コピー品が作られてしまうのではないか、という点が懸念されています。
ただし、技術にこだわって開発しているメーカーは、簡単にコピーされないため影響は限定的との意見もあります。
中国へ化粧品を輸出する際には規制当局への届出も必要
中国に輸入される「一般化粧品」は、その生産者が中国の法人を中国国内の責任者として、「国家薬品監督管理局(以下、NMPA)システム」を通して届出を実施することを委託する必要があります。
NMPAの登録は複雑で、化粧品に応じて数カ月から1年掛かる場合があります。
一般化粧品の届出手続きには以下の資料が必要です。
- 「化粧品登録届情報表」及び関連資料
- 製品名に関する資料
- 製品の実行基準に関する資料
- 製品ラベルサンプル
- 製品検査報告
- 製品安全評価資料
現在中国で認められている化粧品成分リストに記載されている原料は約9,000種類しかなく、このリスト外の成分が配合された化粧品を中国に輸出したい場合は、以下のプロセスを踏む必要があります。
- 海外登録者は中国国内の責任者に授権
- NMPAの受理部門へ新原料登録申請
- NAPA技術審査評価部門で技術審査
- 行政審査・承認決定
- 化粧品新原料登録証明書を発行
また、中国に輸出される「特殊化粧品」も「一般化粧品」と同様の手順で、その生産者および代理人が、NMPAシステムを通してNMPAに特殊化粧品の登録証を申請・取得する必要があります。
「一般化粧品」の中国への輸出と異なる点は、国家薬品監督管理局化粧品技術審査機構にて、成分や機能などの評価を行う技術評価のプロセスがある点です。
技術評価は申請資料を受領した日から90営業日以内に審査意見を発行し、評価に合格することで特殊化粧品登録証が発行されます。
この登録証の有効期限は5年間になります。
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中国に化粧品を輸出するなら規制をチェック!!
今回は中国に化粧品を輸入する際に知っておくべき規制についてご紹介しました。
中国の化粧品は大きく分けて「特殊化粧品」と「一般化粧品」の2つに分類されます。
2024年1月に施行された「化粧品ラベル管理弁法」では、中国で販売される化粧品のラベル表示において、化粧品成分を0.1%単位で含有量の多い順に表記することが義務付けられています。
中国へ化粧品を輸出する際には国家薬品監督管理局システムへの届出が必要です。
一般化粧品、特殊化粧品、それぞれに申請のステップがありますので、事前にチェックしましょう。
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