2022.02.09
流動性向上剤とは?ナイロン射出成形時のトラブルを解消します
こんにちは!岡畑興産の佐藤です。
私たちの身の回りで様々なプラスチックが使用されているのはご存知だと思います。
ほとんどのプラスチックは石油を原料として化学的に合成され、様々な形に成形されて私たちの元に届きます。
プラスチックの中でも強度があり、耐熱性に優れる商品はエンジニアリングプラスチック、通称エンプラと呼ばれています。
エンプラの中でもナイロン(ポリアミド)は強度があり、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性に優れるため様々な部品に加工され自動車や電子・電機機器、スポーツシューズなど幅広く使用されています。
真面目に靴をつくっている会社のブログ 岡畑興産の「くつナビ」でもナイロンの特徴について、ご紹介していますので、是非ご覧下さい。
ナイロン成形には溶けた樹脂の流れ性(溶融粘度)が重要
ナイロンは樹脂メーカーからペレットという米粒を大きくしたような顆粒状で供給され、成形メーカーで様々な形状に加工されます。
加工方法として、押出し成形、射出成形、ブロー成形などが用いられますが、いずれも樹脂を高温で溶かし、金型内で冷やし固めて目的の形状に仕上げます。
中でも射出成形は3次元で立体的な成形物が得られるため、最も一般的な成形法の一つとして利用されています。具体的には、ナイロンを融点以上まで加熱してドロドロの液状にし、高圧で金型へ流し込む成形方法です。
複雑な形状の金型の隅々までナイロンを流し込むためには溶けた樹脂の流れ性(溶融粘度)が重要になります。
特に成形物の強度を上げる為にガラス繊維などの充填剤が入ったナイロンは、溶融粘度が高くなりますので、場合によっては不良品が多く発生するトラブルが起こります。
※射出成形については、以下のブログもご覧下さい。
射出成形のトラブルを解消する流動性向上剤
岡畑興産ではBruggemann社(ドイツ)の製品を取り扱っています。
同社ではナイロン用添加剤を幅広く取りそろえており、この度、ナイロンの溶融粘度を下げる流動性向上剤を開発しました。
この製品はナイロン成形時に1~3%加えることにより、樹脂の流れ性が良くなる(溶融したナイロンの粘度低下させる)添加剤です。
スパイラルフローが70%伸びるという結果が得られることもあり、成形時のトラブル解消にお役立ちできます。
または、成形温度を30度下げても未添加品と同等の流動性を得ることができますので、エネルギーコストの削減に役立ち出来る製品として、ご評価頂いています。
商品の詳細は岡畑興産の「どこ展」、ポリアミド流動性向上剤で詳しく説明していますので、是非ご覧下さい。