お問い合わせ

岡畑興産ブログ

BLOG

2025.03.26

界面活性剤の種類ごとの特徴を紹介!注目のAPGカルボン酸についても

こんにちは、岡畑興産の吉江です。

 

身近な家庭用品に使用されている界面活性剤ですが、その種類は多く、さまざまな用途があります。

 

今回は界面活性剤の種類を解説しながら、あわせて低刺激で注目のAPGカルボン酸についてもご紹介いたします。

目が生える

 

 

界面活性剤の基本情報から確認!

界面は異なる性質を持つ物質の境界面のことを指し、液体と固体や液体と気体、液体と液体といった間に存在しています。

 

界面活性剤は分子構造中に親水基(水となじみやすい)と疎水基(水となじみにくい)を持っていることが特徴です。

 

この構造によって界面の性質を変えることができます。

また、親水基の構造によって界面活性剤は種類が分類されます。

 

界面活性剤の主な役割・性質

界面活性剤は、以下のような役割と性質を持っています。

  • 起泡作用:泡を生成する
  • 乳化作用:本来混ざり合わない物質(例:水と油)を均一に混合させる
  • 分散作用:液体中で固体(粉体など)を分散させる
  • 浸透作用:液体の浸透性を高めて繊維に水が入りやすくする

 

これらの作用は、私たちの身の回りのさまざまな製品に活用されています。

 

例えば、起泡作用はシャンプーや洗剤などに活用されており、乳化作用は化粧品(乳液など)に活用され、油分と水分を均一に混ぜ合わせ、安定した状態を保ちます。

 

そのほか、分散作用は塗料やインクなどに活用され、顔料などの固体成分を均一に分散させる効果が。
浸透作用は洗濯洗剤などに活用され、洗浄成分が繊維の奥まで浸透しやすくすることで、汚れを効果的に落とします。

 

界面活性剤については、以下のブログも参考になります。

界面活性剤の構造や性質を詳しく解説!種類もある?

シャンプーの成分「界面活性剤」の種類ごとの特徴とは?

食器用洗剤に使われる界面活性剤とは? 効果やオススメの洗剤をご紹介

 

 

界面活性剤の分類・種類をご紹介!種類別に特徴・用途も確認

界面活性剤が水に溶解したときに親水基部分が持つ電荷の種類によって4種類に分類されます。

 

非イオン性界面活性剤

代表的な成分としては、アルキルグルコシドやポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが挙げられます。

【特徴】

  • 溶解したときにイオン性を帯びない
  • 泡立ちは少ないため、他の界面活性剤と一緒に使われることが多い
  • 皮膚刺激性が小さいものが多い
  • 温度変化に影響されやすい
  • ほかの界面活性剤と組み合わせることで、洗浄力や泡立ちを調整できる
  • 低温でも安定しやすく、生分解性に優れているものが多い

 

【主な用途】

  • 家庭用および工業用洗剤
  • 乳化剤
  • 分散剤
  • 農薬用補助剤
  • 染色助剤

 

アニオン性界面活性剤

代表的な成分としては、ラウリル硫酸ナトリウムやアミノ酸系界面活性剤などが挙げられます。

 

アミノ酸系界面活性剤とは?洗浄成分の効果や安全性について解説!」もチェックしてみてくださいね。

 

【特徴】

  • 溶解したときに親水基が負(-)の電荷を帯びる
  • 洗浄力が高く、最も一般的な界面活性剤
  • 温度変化に影響されにくい
  • 酸性下では洗浄力が低下する
  • 帯電している物体に対して静電気を中和する
  • 錆の原因を防ぐ保護膜になる
  • 天然油脂を原料とするものもあり、環境への負荷が比較的低い

 

【主な用途】

  • 家庭用および工業用洗剤
  • 食器用洗剤
  • シャンプー、ボディーソープ
  • 乳化剤
  • 帯電防止剤
  • 防錆剤

 

カチオン性界面活性剤

代表的な成分としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウムやベヘントリモニウムクロリドなどが挙げられます。

 

【特徴】

  • 溶解したときに親水基が正(+)の電荷を帯びる
  • アニオン性界面活性剤と併用は出来ない
  • 殺菌性が高い
  • 柔軟効果や帯電防止効果に優れている

 

【主な用途】

  • 家庭用および工業用洗剤
  • 衣類用柔軟剤
  • ヘアコンディショナー・リンス
  • 殺菌剤・消毒剤・防腐剤
  • 帯電防止剤

 

両性界面活性剤

代表的な成分としては、アルキルベタインやコカミドプロピルベタインなどが挙げられます。

両性界面活性剤とは?特徴と期待できる効果を解説」「アルキルベタインとは?特徴や危険性もご紹介」もチェックしてみてくださいね。

 

【特徴】

  • 溶解したときに親水基が正(+)と負(-)の電荷を帯びる
  • pHによってアニオン性、カチオン性、非イオン性の性質を持つ
  • 皮膚や目への刺激性は小さい
  • 起泡力、乳化力、分散力に優れている
  • 他の界面活性剤との相溶性が良い

 

【主な用途】

  • 家庭用および工業用洗剤
  • 衣類用柔軟剤
  • 基礎化粧品
  • ベビーシャンプー
  • ボディーソープ
  • 消毒剤

 

 

界面活性剤の中で注目の種類「APGカルボン酸」とは?

お風呂グッズ

APG(アルキルポリグルコシド)は、アルコールとグルコース(糖)から作られる非イオン性界面活性剤で、アルキルグルコシドの一種です。

APGはアルキルグルコシドよりも特にグルコールが複数結合したものを指します。

 

化粧品成分「アルキルグルコシド」とは?安全性もご紹介」も参考にしてみてくだださいね。

このAPGにカルボン酸が付加したタイプのアニオン性界面活性剤が、APGカルボン酸です。

 

以下は基本情報です。

 

  • INCI:Sodium Lauryl Glicose Carboxylate (and) Lauryl Glucoside
  • CAS No.:383178-66-3 (and) 110615-47-9

APGカルボン酸

APGカルボン酸は、アニオン性界面活性剤の特徴である起泡性や洗浄力はありつつ、他のアニオン性界面活性剤と比較しても低刺激といえます。

 

天然由来成分で低刺激であるほか、生分解性もあるため、持続可能な製品開発へのニーズが高まる中で、注目されている成分です。

日本では食器用洗剤を中心に使用されています。

 

岡畑興産でもおすすめのAPGカルボン酸を取り扱っています!

岡畑興産でも、韓国メーカーのAPGカルボン酸を扱っています。

 

このAPGカルボン酸はお子様にも安心して使っていただける低刺激の界面活性剤で、大手のベビーシャンプーなどへも採用されています。

 

ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね!

 

 

界面活性剤には種類ごとに特性が異なる!APGカルボン酸にも注目

 

界面活性剤はその構造から大きく分けると4種類に分類ができます。

 

その性質や用途によって私たちの身近な様々な製品に界面活性剤は使用されています。

 

界面活性剤を選ぶ際には、用途や目的に応じて、それぞれの特性を理解し、適切な種類を選択することが重要です。

 

岡畑興産でも取り扱っているAPGカルボン酸は、日本ではまだ馴染みが少ない界面活性剤ですが、環境や人に優しい新しいタイプの界面活性剤として注目されています。

 

安心して使えるおすすめのAPGカルボン酸ですので、ぜひチェックしてみていただきたいです!

 

また、岡畑興産が運営している「岡畑興産ブログ」ではさまざまな化学に関する知識を発信しており、常設オンライン展示会「どこ展2.0」でも化粧品原料について詳しくご紹介しています。

こちらも、ぜひご覧くださいね。

 

岡畑興産 吉江 ヨシエ

岡畑興産株式会社
機能化学品事業部

facebook

twitter

line

CONTACT

ご相談・お問い合わせはこちらから

ご相談・お問い合わせ